弟が立ち上げた新ギター会社を宣伝するためにギターケースを抱えてスタジオに入ってきた
ミック・ジャガー(Mick Jagger)。その部屋ではベーシストのオーディションが行われていて、プロデューサーにセッション・ベーシストと間違えられる。それに「俺はミック・ジャガーだ」と返したと、それを目撃した
スティーヴ・スティーヴンス(Steve Stevens)がGuitar Playerの新しいインタビューの中で振り返っています。
1980年代後半はギタリストのスティーヴ・スティーヴンスにとって多忙な時期でした。「多くの人たちからオファーの電話を受けていた」という彼は、特に忘れられない、ある日のことを振り返っています。
その日、彼はデイヴィッド・リー・ロスのバンドのオーディションを受けていました。そして、オーディションの後、家に帰ると、ミック・ジャガーからのメッセージが届いていました。
「まさに“これぞミック・ジャガー”って感じだったよ。“やあ、スティーヴ。ミック・ジャガーだ。カリブ海からかけてる。これから行うソロ・ツアーのことで、ぜひ君と話したいんだ”ってね。でもその時はすでに別の仕事が決まっていたから、その仕事は受けられなかったんだ。でも、その(メッセージの)テープはちゃんと取ってあるよ」
スティーヴによると、彼はそれ以前にミックと一度だけ会ったことがあるという。場所はニューヨークのライト・トラック・スタジオで、
ビリー・アイドル(Billy Idol)の1986年アルバム『Whiplash Smile』の制作中でした。
ミックは当時、同じ施設内の別スタジオで1987年のソロ・アルバム『Primitive Cool』のレコーディングを行っており、弟のクリス・ジャガーが立ち上げたギター・ブランド「スタッカート」について話すため、スティーヴのもとを訪れました。
スタッカート・ギターはマグネシウム合金でできているのが特徴で、当時はミックやローリング・ストーンズのビル・ワイマンも出資して支援していました。
ミックがスティーヴのもとを訪れた日は、とりわけ慌ただしい日でした。スティーヴはこう振り返っています。
「『Whiplash Smile』の制作中、弾いてもらいたい曲があったのでベーシストのオーディションをしていたんだ。
そこにミック・ジャガーがギターケースを抱えて入ってきたんだよ。ミックは“やあ、俺の弟がギターを作ってるんだ。よかったら見てみないか?”って言っていた。
すると絶妙なタイミングで、うちのプロデューサーであるキース・フォーシーが部屋に入ってきて、ためらいもなくこう言ったんだ。“よし、ベースアンプはあそこだ。つないでくれ――すぐやるよ”。
それでミックが言ったんだ。“いや……俺はミック・ジャガーだ”ってね(笑)。
あれは本当に最高だったよ」