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「結局アーティストは(ストリーミング以前も以降も)何らかの形で搾取されるんだ」 トゥイステッド・シスターのメンバーが音楽業界について語る

2026/03/02 20:06掲載
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Twisted Sister
Twisted Sister
トゥイステッド・シスター(Twisted Sister)のギタリスト兼マネージャーであるジェイ・ジェイ・フレンチはポッドキャスト『Pod Scum』の新しいインタビューの中で音楽業界について自身の考えを語っています。

「まず第一に、アーティストは(音楽ストリーミング以前は)ブートレグでは1セントも稼げなかった。しかもそれは狂ったように蔓延していた。(音楽ストリーミング以降)“誰も金をもらってない”なんて話をする人がいるけど、少なくとも今は誰かしらが報酬を受けている。だってみんな何らかのサービスにお金を払っているからね。そう誰もが払っている。だから実際にお金は入ってきているんだ。昔はブートレグで莫大な損失を出し、さらにレコード会社にだまされて搾取されていた。彼らが何をどれだけ売っているのか、証明する術がなかったから。でも今はすべてのトラックがコンピューターで記録されている。

この状況には2つの側面がある。本当に二つある。レコード業界は犯罪組織みたいなもので、アーティストをあらゆる方向から食い物にする。昔からずっとそうだ。結局アーティストは、どのみち何らかの形で搾取されるんだよ。

そのわずかな収益をどう分配して、みんなにきちんと支払うかを考えるのは確かに難しいし、ロイヤリティ率は改善されるべきだ。

そもそもアーティストは(米国の)ラジオ放送で一切お金をもらっていない。その話をしよう。地上波ラジオはアーティストに1セントも支払っていない。数年前、ニューヨーク・タイムズにこんな記事が出た。業界では周知の事実だったけどね。見出しはこうだ――『アレサ・フランクリンの“Respect”がラジオで700万回放送。アレサがそこから得た収入はゼロ』。なぜか? それは演奏権管理団体であるASCAPやBMI、そして音楽出版社が70年前に議会と手を組んで、『演奏権団体はアーティストに払う必要はない。アーティストはツアーやレコード販売で稼げる。ラジオで流すこと自体が宣伝になり、助けているのだから払う必要はない』と言ったからだ。だから地上波ラジオはこれまで一度も1セントも払ってこなかった。

さらに、アリーナでホッケーや野球、フットボールの試合を観戦している時、例えば(トゥイステッド・シスターの)“We're Not Gonna Take It”みたいな曲が流れると、友人がこう言う。“おい、ジャイアンツ・スタジアムでWe're Not Gonna Take Itが流れたぞ。チャリーンだな”って。俺は言ったよ。“いや、ゼロだよ”。“どういう意味だ?”って聞かれたから“会場側は何十億という曲を流すためにASCAPやBMIに一括で使用料を払っている。でも俺たちには1セントも入らない。金を受け取るのは音楽出版社だ。出版社には払われる。だがアーティストには何も入らない。それが仕組みなんだ”と言ったよ。

ところがSoundExchangeの登場やオンライン配信によって、その構図は変わった。すべてがログに記録されるようになり、今では俺たちにも支払いがある。長い間、支払いを受け取っていたのは作詞・作曲者だけで、アーティストは何ももらえなかった。でも今はSoundExchangeのおかげで、アーティストやレーベルには支払いがあるが、出版社とソングライターはゼロだ。これがバランスを取ろうとする試みの結果なんだ。もちろん完璧だなんて言わない。完璧なものなんてないし、常に改善の余地はある。

ただ覚えておいてほしい。昔はレコード売って儲け、ツアーは赤字だった。今はツアーで稼ぎ、音楽はタダ同然で配る。だからチケット代があんなに高いんだ。昔は、レコード売上が業界全体を支え、アーティストを助けていたからね。理論の上、だけど」