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フィル・マンザネラの愛器ギブソン・ファイアーバードVII、53年前にこのギターを売った人物が名乗り出て、このギターの歴史がさらに明らかに

2026/02/26 18:46掲載
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Phil Manzanera (Image credit: Getty Images)
Phil Manzanera (Image credit: Getty Images)
ロキシー・ミュージック(Roxy Music)時代からのトレード・マークでもある、フィル・マンザネラ(Phil Manzanera)の愛器、1964年製の赤いギブソン・ファイアーバードVII。このギターは1973年にアメリカ人の少年から購入したものでした。最近になって、マンザネラにこのギターを売った人物が名乗り出て、このギターの歴史がさらに明らかにされています。

マンザネラはこのギターを、ロキシー・ミュージックのメンバーが演奏したほぼすべてのアルバム、そして彼の14枚のソロアルバムすべてで弾いています。

当時、彼はロキシー・ミュージックで使うための派手な赤いギターを探していたという。そして1973年、Melody Maker誌の巻末に個人売買の広告を見つけ、120ポンドを支払って購入しました。インフレを考慮すると、現在の価値でおよそ1,900ポンド(約40万円)に相当します。

マンザネラはGuitaristに新しいインタビューの中で、こう話しています。

「(Guitarist誌は)毎週欠かさず買って、ニュース、レビュー、チャート、セール品など、隅から隅まで目を通していたんだよ。

1973年のある日、『赤いギブソン売ります』とだけ書かれた広告を見つけた。モデル名などの詳しい説明は何もなかったけれど、とにかく電話をしてみたら、リージェンツ・パークのとても立派な家に来るようにと言われたんだ。

僕がドアをノックすると、やがて16歳くらいのアメリカ人の少年が出てきた。彼は両親が買ってくれたけれど、自分は弾いていないし、たぶんこれからも弾かないと言っていた。彼が家の中に戻り、待っていると、数分後に戻ってきて、今度は1950年代のアメリカ車に使われていたような、あのクラシックなカーディナル・レッドに塗られた1964年製ギブソン・ファイヤーバードVIIを抱えて現れたんだ。

ちょっとホフナー・ギャラクシーに似ているけれど、より大胆で際立った輪郭と曲線を持っている。赤いモデルはそれまで一度も見たことがなかったし、その後も一度も見たことがない」

マンザネラは一目ぼれし、試奏もせずに音を確かめることさえせずに、その場で代金を支払ったという。

それから53年後の2026年2月。GuitaristのYouTubeチャンネルに1年前に投稿されていた、マンザネラのお気に入りのギターについて語る動画のコメント欄に、ジョー・コリンジャーという人物が、売った人物だと名乗り出ています。

「やあ、フィル。あれは僕のギターだったんだ。僕は当時スイスの大学に通っていて、サンフランシスコへ引っ越す準備をしていたところだった。僕たちはリージェンツ・パークのチェスター・テラス33番地に住んでいた。確かに立派な家だったね。君は僕の母と妹にも会っているはずだ。僕たちはカラマズーではなく、シカゴ出身だよ。あのファイヤーバードは1972年の夏に、シカゴのオールドタウン地区で中古を350ドルで買ったんだ。1973年にはMelody Maker誌に400ポンドで掲載された。当時僕はすでにレスポール・カスタムとストラトを持っていたしね。ファイヤーバードはいい楽器だったけれど、僕には少し大きすぎて重いと感じていたんだ。君が気に入ってくれてうれしいよ」

「僕はオールマン・ブラザーズ・バンドと会ってオーディションを受ける予定だったんだけど、代理人が入院してしまい、その話は立ち消えになってしまった。僕は音楽でキャリアを築こうと本気で考えていたけれど、裕福な家庭に育った両親はその道に賛成ではなかった。(あの日)母はフィルに僕の夢について相談し、思いとどまらせるような助言をしてほしいと頼んだ。するとフィルは母にこう答えたんだ。“まあ、少なくとも僕の場合はこれまでのところ、かなりうまくいっているけどね”と。結局、その1年後に僕は音楽の道をあきらめたよ。でも、60年代後半から70年代初頭にかけてのロンドンは本当に素晴らしい時代だった。親しい友人の中には、ジェフ・ベックやスティーヴ・ウィンウッドらと一緒に演奏していた人たちもいた。あの頃は本当に素晴らしかった。――これが、ちょっとした裏話だよ」