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ジョン・メレンキャンプ 「Key West Intermezzo」著作権侵害訴訟で勝訴 「両楽曲はまったく似ていない」

2026/02/13 13:13掲載
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John Mellencamp - Key West Intermezzo (I Saw You First)
John Mellencamp - Key West Intermezzo (I Saw You First)
ジョン・メレンキャンプ(John Mellencamp)の1996年曲「Key West Intermezzo (I Saw You First)」は、その1年前にサンディエゴのバンドが自主リリースした楽曲を盗作したものだと訴えていた訴訟で、米カリフォルニア州の連邦地裁は、著作権侵害には当たらないとする判決を下しています。判決文には「両楽曲はまったく似ていない」と書かれています。

この著作権侵害訴訟は、1990年代後半にスローイン・ストーンズ(Throwin’ Stones)というバンドに所属していたロバート・ウィーラーが2024年に提起したもので、ウィーラーはThrowin’ Stonesの1995年曲「Coffee」のフック部分をメレンキャンプが「Key West Intermezzo」に盗用したと主張していました。

米ビルボード誌によると、メレンキャンプは、この訴訟が起きるまでThrowin’ Stonesや「Coffee」という曲の存在すら知らなかったと述べていました。

メレンキャンプは「Key West Intermezzo (I Saw You First)」を制作していた1995年当時、前年夏に起こした心臓発作の影響で米インディアナ州の自宅で静養していました。

米カリフォルニア州の連邦地裁のマーク・C・スカーシ判事は、米インディアナ州の自宅から出られなかったメレンキャンプが、サンディエゴの数局のラジオや南カリフォルニアのバーでしか流れていなかった「Coffee」を、どうやって耳にすることができたのかを示す証拠は存在しないと判断しました。

著作権法では、原告が被告によるアクセス(接触)を示せない場合、審理に進むには両作品の間に「際立った類似性」があることを立証しなければならないそうで、スカーシ判事は、ウィーラーはこの基準を満たしていないとも指摘しています。

判決文には次のように書かれています。

「裁判所の専門的訓練を受けていない耳で聴く限り、両曲は似ているようにはまったく聞こえない。ましてや、論理的に“模倣以外に説明のつかないほど明白に類似している”とも到底言えない。楽曲はテンポも歌詞も、全体的なサウンドも異なっている」

通常、音楽著作権訴訟では、双方が依頼した音楽学者による専門家報告書をもとに、技術的な類似点が精査されます。しかしウィーラーにとって不利だったのは、彼が選任した専門家が「Coffee」と「Key West Intermezzo」のフックには重要な共通点があるという見解を報告書で示したものの、宣誓のもとでの証言を最後まで行わなかった点にあります。

メレンキャンプ側の弁護士は、この専門家報告書は、実際には原告のウィーラー自身が作成し、その著者として人類学者パブロ・D・ヘレラ・ベイティア博士という人物の名前を付けただけではないかと疑っていました。結果としてスカーシ判事は、この専門家報告書を完全に却下したため、ウィーラー側に類似性を立証する確固たる証拠はなにもないことになりました。判事はこう述べています。

「原告が提示した唯一の証拠は、ヘレラ博士の専門家報告書と意見書であったが、これらは今や排除された。両楽曲の主張される技術的類似性を陪審員が理解する助けとなる専門家証言が一切ない状況では、陪審員が“楽曲が著しく類似しており、唯一の論理的説明は盗用である”と結論づけることは不可能である」

ウィーラーは米ビルボード誌の取材に応じ、「判決内容を慎重に精査し、今後の対応を検討している」と語っています。