メガデス(Megadeth)の
デイヴ・ムステイン(Dave Mustaine)はClash Magazineの新しいインタビューの中で、レコーディング・ブースに彼のヒーローであるクリント・イーストウッドの写真を貼ってあること、若者へのアドバイスは「学校には通い続けろ」、黒帯を取得したブラジリアン柔術の稽古は人生に何をもたらしたのか? 自身の墓碑に刻みたい言葉について語っています。
「もし君が俺と一緒にスタジオにいたら、ヴォーカル・ブースの中にいくつか変わったものを見ただろうな。マイクとミキサーはもちろんだけど、ゴミ箱もある。俺が唾を吐きまくるから。それから、クリント・イーストウッドの写真も貼ってある。彼は俺のヒーローだからね。あの無口な役柄、ああいう演技って本当に難しいんだよ。考えてみてくれ、彼が口を開くシーンってどれくらいある?
西部劇のクリントと『ダーティハリー』のクリント、どっちかいつも迷う。どっちも好きだけど、西部劇のほうが演技の幅は広い気がする……(間を置いて)なんで俺、クリント・イーストウッドの映画の話をしてるんだ? まあいいや、先に進もう。とにかく、そう、彼の写真を壁に貼ってるんだ。あのクリント顔を作るのに役立つんだよ(唸り声)。
(インタビュアーが31歳だと知り)
君はまだ若いからね。もう少し年を重ねると、自分が本当に落ち着ける場所ができて、そこを自分の好きなように飾り付けるようになる。トイレの壁に何か飾ってる人は多いけど、けっこうな割合でスピリチュアルな言葉が書いてあったりする。以前見かけたもので、たしかこんな感じの言葉があった。
『君が遠くに行ってしまったように感じていたけれど、離れていったのは私のほうだった』
すごくいい考え方だなと思ったよ。それで(メガデスのファイル・アルバム収録曲“Hey, God?!”は)“もし神と会話するとしたら、自分は何を言うだろう”って書き始めたんだ。もし実際に話せたら、たぶん、ああいうことを言うと思うよ。
もし神が本当に存在するなら、できるだけ善良な人間として生きたいし、出会う人みんなを傷つけるような生き方はしたくない。多くの場合、俺の過去や、子どもの頃にやっていたこと、武道のことを知ると、ケンカが好きなんだと思われる。でも、それは違う。俺が武道を始めた理由は、闘うためじゃなくて、謙虚さと平和を学ぶためだったんだ。
(インタビュアー:ブラジリアン柔術の黒帯を取得されたそうですね。稽古はあなたの人生に何をもたらしましたか?
平穏だね。面白いことに、これを正しく続けていくと、誰とも戦いたくなくなる。いろんな人から多くのことを学ぶし、学ぶべきことは山ほどある。正直、黒帯になった今、また一からの初心者に戻った感覚だよ。これで黒帯は4本目なんだ。空手で1つ、テコンドーで2つ持ってる。だから……悪夢を見てるときは、俺の隣で寝ないほうがいいよ(笑)。
とても、とても幸せな人生だよ。素晴らしいキャリアを築けたし、たくさんの友人にも恵まれた。敵もたくさん作ったけど、それはそれで理由があったんだと思う。もし彼らが俺に怒ってるなら、俺も彼らに腹を立ててる――まあ、言ってしまえば“くそったれ”だ(笑)。いや冗談だよ。うん、今はかなり満足してる」
Q:メガデスには長年にわたって本当に素晴らしいミュージシャンがたくさんいました。その中で、実力や貢献に対して世間から十分な評価を受けていないと感じる人はいますか?
「みんな素晴らしかったよ。優れたミュージシャンがいると、次に気になるのは“その人は良い人間か?”ということ。良い友情を築けたのかどうか? 俺はこれまで、友だちを雇ったことは一度もない。
インタビューやミート&グリートで“新しいバンドにアドバイスするなら何ですか?”と聞かれると、いつも“学校には通い続けろ”って言っている。賢くなる必要があるからね。
学校には通い続けるのは大事だけど、学校では教えてくれないことも学ばなきゃいけないとも伝えている。小切手帳の扱い方とか、複利の仕組みとかね。それからもう一つ、必ず言うのが“友だちを雇うな”ということ。もし誰かを辞めさせなきゃならなくなった時、友達まで失うことになる。俺はこれまで仕事として人を雇い、ビジネス関係を築き始めて、時間をかけて友だちになっていくことが多かった。仕事が終わったあとに友情が続くかどうかは、そのときの関係次第だ。たとえばレストランで働いていて、マクドナルドを辞めてタコベルに移った人が、マクドナルドの店員に頻繁に電話して“元気?”なんて言うことは、あまりないと思う。でも、もしそこに友情があるなら、話はまったく別だ」
Q:最後の質問です。どのように記憶されたいですか?
「前からずっと言ってるんだけど、墓碑には『alive and well(元気で健在)』って刻みたい。実際、そのタイトルのライヴ・アルバムも出したしね。
あっ! (レコーディング・ブースに)セックス・ピストルズの写真が貼ってあったの忘れてた。ちょっと見せるよ。
(ノートパソコンを手に取り、家の中を移動してレコーディング・ブースへ向かう)
ほら、これがクリント・イーストウッドの写真。でも、こっちのは完全に忘れてたよ……(シド・ヴィシャスの写真の前で立ち止まる)。
パンクを名乗るなら、こういうのも持っておかないとね!」