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ファットボーイ・スリム「僕の人生を変えたVHSテープ」紹介、自身の成功を助けたスパイク・ジョーンズとの出会いのきっかけ

2026/01/02 13:56掲載
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Fatboy Slim - The VHS which changed Norm’s life
Fatboy Slim - The VHS which changed Norm’s life
ファットボーイ・スリム(Fatboy Slim)ことノーマン・クックは「僕の人生を変えたVHSテープ」を紹介。1998年頃、ホテルの部屋に置いてあったこのテープには、彼の楽曲「Rockafeller Skank」に合わせてスパイク・ジョーンズ(Spike Jonze)が街中で踊る映像が収められていました。これをきっかけにジョーンズとのコラボレーションが開始され、ジョーンズは「Praise You」のミュージックビデオなどを制作。ビデオの注目もあり、ファットボーイ・スリムは世界中でブレイクしました。

Rocket 88のYouTubeチャンネルで公開されたショート動画で、ノーマン・クックは「僕の人生を変えたVHSテープ」として、このVHSテープについて、こう話しています。

「このVHSテープは、ロサンゼルスのホテルの部屋でライヴの直前に見つけたものなんだけど、そこには、こんなメモが付いていた。“ノーマン、君の曲が大好きだ。ハリウッド大通りで、その曲に合わせて踊っている奴を見たよ。気に入ってくれるといいな。愛を込めて、スパイク”と書かれていた。当時、それがスパイク・ジョーンズだとは知らなかったし、そのビデオで“Rockafeller Skank”に合わせて踊っているクレイジーな奴が実はスパイクだったとは思いもしなかった。その後、“Praise You”のビデオで同じアイデアをやり直したんだ。あの、世界中で僕をブレイクさせた、まさにあのビデオでね。だからそう、ホテルの部屋にVHSテープを置いていくという、この偶然の行為が僕の人生を変えたんだ。スパイク・ジョーンズ、本当にありがとう」

ノーマン・クックは以前にSynth Historyのインタビューの中で、この出来事について、もう少し詳しく話していました。

「LAのホテルの部屋に着いたら、テーブルの上にVHSテープが置いてあって、小さなメモが添えられていたんだ。“ハリウッド大通りで、君の曲に合わせて踊ってる奴を見かけた。気に入ると思って。愛を込めて、スパイク”と書いてあった。で、見てみたら、街中で人にぶつかりながら踊ってる、イカれたクレイジーな奴が映ってて、いわゆる解釈的なヒップホップのストリート・ダンスをやってるんだ。これは“Rockafeller Skank”のミュージックビデオを撮影する前夜の出来事だった。

で、考えたんだけど、物事が自分の思う方向に進んでなくて、どんどん陳腐で費用がかかりすぎるようになってきて“俺は何やってるんだ?”って思ったんだよ。で、この映像を見て“これこそ俺がやるべきことだ”って思った(笑)。だからレコード会社に行って、“明日撮るべきビデオはあれじゃなくて、これだ。あれは全部やめて、金を節約して、このビデオでいこう”と言った。そしたら彼らは“いや、面白いけど、そんなビデオは無理だよ。プロダクションが安っぽすぎる。でも確かに面白いし、それにスパイク・ジョーンズなんだよね”と言った。俺が“スパイク・ジョーンズって誰?”って言ったら、彼が手がけたビデオをいくつか挙げてくれた。ダフト・パンクの“Da Funk”とか、ビョークの“It’s Oh So Quiet”とかね。どっちもその年で俺の大好きな2本だった。だから“じゃあ、その人に会わなきゃ!”って言ったんだ。彼は翌日、ライヴに来てくれた。俺は彼に“君の作品は大好きだけど、そのアイデアは次のシングル用に取っておけないかな。レコード会社が“Rockafeller Skank”のビデオをボツにさせてくれなかったんだ。次のシングルでやってくれないか?”って言った。そしたら彼は“いいよ”って答えたんだ。

その時点では、それが自分のキャリアをどう変えるかなんて、まったく想像もしていなかった。頭にあったのは、パンク的な姿勢で物事に挑んでいて、惰性でやるんじゃない姿勢において、自分と同じ考えを持つ人物に出会えたということだけ。本当にそのやり方でやる必要があるのか? こっちの方向に進んだ方が面白くないか?とね。

彼のアイデアも、エネルギーも、何に対しても遠慮がないところも大好きだった。彼は当時ソフィア・コッポラと交際していたため、俺を彼女の兄ロマン・コッポラに紹介してくれた。そのロマンが“Gangster Trippin'”のビデオを作ってくれた。それからスパイクが“Praise You”と“Weapon of Choice”のビデオをやってくれた。そんなふうに俺は彼らのクルーの仲間入りした。みんなクレイジーな天才ばかりだったよ。それがアメリカでの俺のブレイクにつながった。当時はMTVが曲をブレイクさせるうえで圧倒的な力を持っていたけど、ちょっとマンネリにもなっていて、そこにルールを破るちょっと面白い新しいタイプのビデオが出てきた。あの3本のビデオが俺を世界中に知らしめたんだ。それ以来、俺はビデオ制作へのアプローチを完全に変えた。レコード会社には何も決めさせなかったし、もう二度と自分は画面に出ないと決めた。ビデオを面白くする第一の秘訣は、まず俺を出さないこと(笑)。俺が出ると、俺にやらせる余計な役回りを書かなきゃいけなくなるからね。そうやって俺のキャリアは世界的に飛躍していった。その後は、他のどのビデオ監督もファットボーイ・スリムのビデオをやりたがるようになって、ちょっとした流行にもなった。みんな本当にクレイジーなアイデアを持って俺のところに来てくれて、退屈な企画なんて一度もなかったよ」



■スパイク・ジョーンズが贈った「Rockafeller Skank」のダンス映像


■「Praise You」のミュージックビデオ