
KISS ALIVE/WORLD WIDE 96-97
キッス(KISS)のオリジナル・メンバーが再結集してメイクを施して行ったリユニオン・ワールド・ツアー『ALIVE/WORLD WIDE 96-97』(1996年~97年)では、さまざまなバンドがオープニング・アクトを務めました。そのひとつ、
ザ・ヴァーヴ・パイプ(The Verve Pipe)は、キッス・ファンから絶え間なくブーイングを浴びせられたという。バンドのヴォーカル兼ギタリスト、ブライアン・ヴァンダー・アークは、101 WRIFの最近のインタビューの中で、当時を振り返っています。
「誰も僕たちのことを知らなかったんだ。(最大のヒット曲)“The Freshmen”はまだ出ていなかったし、(全米シングル53位の)“Photograph”がちょうど出たばかりだったから、誰も僕らを知らなかった。想像してみてくれよ。どこの都市でも2万人もの観客が、キッスがオリジナルメンバーで再結成してメイクを復活させるってことで大興奮してるんだ。“とんでもないライヴになるぞ”ってね。
2万人がチケットを買い、2万人がアリーナまで車で来て、キッスを見るために2時間待っている。ついに場内が暗くなり、2万人のキッス・ファンが“ついにキッスが見られる!”という期待でどよめく中、明かりがついたら、そこに立っていたのは見たことも聞いたこともないバンドだったんだ! それが僕らだった。彼らは僕らに全然優しくなかったよ。
あれを経験したので僕は、もう二度と観客を恐れることはない。そういう意味では本当に素晴らしい経験だった。あれ以来、観客を恐れたことは一度もないよ。
ジーン・シモンズ(Gene Simmons)は本当に最高だった。(ツアーの前)彼はほぼ毎公演、僕たちの楽屋に顔を出して話してくれた。理由はわからないけど、僕たちのことを気に入ってくれてたんだと思う。とにかく、励ましの言葉をくれた。僕たちはもう大興奮で、ステージ袖で“マジかよ!信じられるか?キッスのオープニング・アクトだぞ!”って言ってた。僕はキッスの大ファンだったからね。
で、いざ(ツアーのオープニング・アクトとして)ステージに出たら、ブーイングの雨、コインまで投げつけられてさ。“うわ、マジか。30公演ずっとこんな感じか?”って思ったよ。でも、そのあとジーンが戻ってきて、僕の肩に腕を回してこう言ったんだ。“気にすんなよ。俺たちのオープニングをやるバンドは皆、容赦なくブーイングされるんだ”って。僕は“それ、30公演引き受ける前に教えておいてほしかったよ”って思ったよ」