HOME > ニュース >

今、ロンドン中心部でのストリート・ミュージシャンのパフォーマンスは「徐々に消滅しつつある」

2025/12/25 17:03掲載
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
London’s street performers - Image Credits:Mabel Lu/Flickr under a CC BY-ND 2.0 license
London’s street performers - Image Credits:Mabel Lu/Flickr under a CC BY-ND 2.0 license
英BBCによると、今、ロンドン中心部でのストリート・ミュージシャンのパフォーマンスは「徐々に消滅しつつある」という。今春に裁判所がアンプを使った路上演奏は公共の迷惑行為に相当すると判断したことで、ロンドン中心部では演奏できる場所が失われつつあると現地のストリート・ミュージシャンは指摘しています。

英ロンドン娯楽の中心地レスター・スクエアは、かつてはロンドンで最も賑わう路上演奏スポットの一つでしたが、企業や住民は、音量が大きすぎる迷惑なストリート・ミュージシャンを取り締まっていないとして、区の行政当局ウェストミンスター・カウンシルを相手取り提訴を起こしました。この法廷闘争の末、今春、裁判所はレスター・スクエアでのアンプを使った路上演奏は公共の迷惑行為にあたるとの判決を下しました。その際、大音量で、何度も何度も同じ演奏を繰り返し、しかもパフォーマンスの質が低いストリートミュージシャンは、その場で働く人たちにとって「心理的拷問に匹敵する」と裁判官は述べていました(詳しくはこちら)。

ウェストミンスター・カウンシルは判決後、同エリアでの路上演奏を全面的に停止しました。

その後、トラファルガー広場が、アンプを使った路上演奏ができる、ロンドン中心部では唯一の指定演奏スポットとなっていましたが、そのトラファルガー広場では現在、クリスマス・マーケットが開かれているため、今、ストリート・ミュージシャンがアンプを使って路上演奏できる場所が全く存在しない状況に陥っているという。

現地のミュージシャンズ・ユニオンは、クリスマス・マーケットの店と並行して演奏者の受け入れを求めたものの、許可は下りていないそうです。

英BBCによると、演奏場所が失われることで、一部のミュージシャンはキャリアを諦めることを余儀なくされており、ミュージシャンたちはロンドンの文化に悪影響を与えていると警告しています。

ミュージシャンのセレナ・カオスは、路上演奏できる場所を失った後、フルタイムのパフォーマーとしての活動をやめたという。カオスは、ストリート・パフォーマンスはロンドンの文化にとって「とても重要な要素」であるにもかかわらず、「徐々に消滅しつつある」とBBCに話しています。

トラファルガー広場の演奏スペースは1月に再開予定ですが、レスター・スクエアでの再開は予定されていません。