HOME > ニュース >

ジーザス・ジョーンズのマイク・エドワーズが選ぶ「僕にとって欠かせない5枚のアルバム」

2025/12/21 21:50掲載
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
Mike Edwards. (Credit: Big Ed Photography)
Mike Edwards. (Credit: Big Ed Photography)
ジーザス・ジョーンズ(Jesus Jones)マイク・エドワーズ(Mike Edwards)が選ぶ「僕にとって欠かせない5枚のアルバム」を発表しています。米Spin企画。

■Beach Day, Another Sky

「最初に選んだのは、“一枚のアルバムとして統一された作品で、アルバムを作ることは時間の無駄ではない”と僕に何十年ぶりかに思わせてくれた作品だ。アナザー・スカイの『Beach Day』は本当に素晴らしく、様々なスタイルの素晴らしい曲が次々と続き、繊細な部分もあれば、心に突き刺さるような部分もある。そして全編にわたり、キャトリン・ヴィンセントの驚異的な歌声が響き渡る。つい最近、アナザー・スカイが活動を終えたと聞いて本当に悲しくなった。というのも、このアルバムは、時代が違えば彼らをスタジアム級の存在に押し上げていたはずの一枚だったから。僕はこの素晴らしいアルバムを皆に聴いてもらおうとずっと努めてきたし、見てのとおり、今もその努力を続けている」



■Powerage, AC/DC

「僕たち純粋主義者の多くにとって、このアルバムこそが真のファンのお気に入りだと考えている。前作『Let There Be Rock』ほどの圧倒的な壮大さはないが、AC/DCが自分たちの限界を押し広げたという点では、これほどまでに迫った作品はほかにない。確かに、これまでと同じスリーコードで、マルコム・ヤングによるあのスタッカートなギターの巨塊は相変わらずだけど、この作品に強烈な影響をもたらしているのは、彼らと初めてアルバムを作ったベーシストのクリフ・ウィリアムズだ。彼のプレイは時にファンキーな域に達する――そう、僕は今もAC/DCの話をしている――多くの楽曲を、バンドの慣例的で、やや色あせ始めたアプローチから引き上げている。さらに、ここにはアンガス・ヤングの最高のブルース演奏のいくつかも聴ける。ギタリストとして断言するけど、彼の根底にはブルースプレイヤーの魂が宿っている(1980年代に一時その本質を見失った時期はあったにせよ)。最後に、レコード会社の意向でAC/DCがコンフォートゾーン(※慣れ親しんだ安全で快適な領域)から押し出され、彼らなりのやり方でついにヒット・シングル(ストーンズ風の“Rock ‘n’ Roll Damnation”)を狙ったという皮肉も気に入っている。その後2年でヒットシングルは彼らにとって問題ではなくなり、その状態は40年以上にわたって続いている」



■Passion: Music for The Last Temptation of Christ, Peter Gabriel

「これは、驚くべき才能を持つアーティストによる傑作ゆえ、自身の能力のなさを嘲笑するのによく使っていたアルバムだ。僕のような職人肌ではなく、真のアーティストの手によるもの。映画のサウンドトラックであるという事実は、感情の浮き沈みも、ピーター・ガブリエルが駆使する並外れた力強さと繊細さも、何ひとつ損なっていない。彼を支える折衷的なミュージシャンたちの協力も相まって、これは紛れもない傑作だ。とはいえ、これほど自然に情感を引き出す作品を自分には到底作り得ないと思うと、聴くのが辛い作品でもある」



■Daydream Nation, Sonic Youth

「僕にとって、これは彼らの絶対的な頂点だ。どんなバンドにも、あらゆるものが鮮明に焦点が合う瞬間がある。力まずとも何段階も飛躍し、スイッチを押したかのようにハイパースペースへと加速していく瞬間がある。三部作の最初の2曲“The Wonder”と“Hyperstation”は、人生の旅路やアシッド・トラップの物語を表現するサウンドトラックとしても使える。まあ、言いたいことは伝わるだろう。これは壮大な作品だ。荒々しく、陰鬱でありながら、同時に心に残るメロディと感動がある。ジーザス・ジョーンズのサウンドに多大な影響を与え、そして僕の魂に永遠に刻み込まれたアルバムだ」



■Molten Beats, RAM Trilogy

「『Molten Beats』は、90年代中盤から後半、ブリットポップの脆弱さがドラムンベースのヘヴィ級ロックンロールによって浮き彫りにされていた時代を鮮やかに捉えた作品だ。(以下略)」