ジェスロ・タル(Jethro Tull)のオリジナル・ギタリスト、
ミック・エイブラハムズ(Mick Abrahams)が死去。彼の友人である元ジェスロ・タルのギタリスト、マーティン・バー や、ジェスロ・タルのファンジン「A New Day」の編集者デイヴ・リースが訃報を伝えています。82歳でした。
以下、マーティン・バーの声明より
「私の友人であり、メンターであるミック・エイブラハムズが亡くなりました。彼は私にとても親切にしてくれて、そのことは決して忘れません!私たちに多くを与えてくれた、なんと素晴らしいギタリストだったことでしょう。
安らかにお眠りください」
以下、デイヴ・リースの声明より
「最高の夜を過ごしていたら、噂は本当かと次々に聞かれ始めました。残念ながら、事実であることを確認して胸が張り裂けそうです。友人であり音楽のヒーローでもあるミック・エイブラハムズが亡くなりました。彼はロック界の巨人であり、とても多くの人に愛され、敬われていました。私たちは何年にもわたって一緒に楽しい時間を過ごしました……本当に本当に悲しく、彼がいないのが寂しくてなりません」
ミック・エイブラハムズことマイケル・ティモシー・エイブラハムズは1943年4月 ベッドフォードシャー州ルートンに生まれる。
1967年、エイブラハムズはイアン・アンダーソンやグレン・コーニック、クライヴ・バンカーと共にジェスロ・タルを結成。1968年のアルバム『This Was(邦題:日曜日の印象)』でデビュー。同アルバムは全英10位にチャートインし注目を集める。
しかし、バンドの音楽的方向性をめぐってエイブラハムズとアンダーソンの間で意見の相違が生じ、エイブラハムズはアルバム完成後まもなくバンドを脱退した。エイブラハムズは、よりブルース/ロックのスタイルを追求したかったが、アンダーソンは、よりフォークやジャズの影響を取り入れたいと考えていたと言われている。
エイブラハムズは脱退後、よりブルース・ジャズ色を強めたブロードウィン・ピッグを結成した。『Ahead Rings Out』 (1969年)と『Getting To This』 (1970年)の2つのアルバムを録音した。
エイブラハムズはその後、 Wommett、そしてミック・エイブラハムズ・バンドで活動を続け、1988年にはブロードウィン・ピッグを再結成させた。またエイブラハムズは運転手、ライフガード、財務コンサルタントとしても働いていた。
エイブラハムズは2009年に心臓発作を起こし、その翌年にはメニエル病を患っていたことを明らかにしていた。
2015年に、エイブラハムズはマーティン・バーを含む複数のゲストを迎えたスタジオアルバム『Revived!』を発表した。これが最後のスタジオ・アルバムだった。