
Gem Archer (Image credit: Steve Thorne/Getty Images)
オアシス(Oasis)の再結成ツアーに参加したギタリストの
ゲム・アーチャー(Gem Archer)は、米Guitar Worldの新しいインタビューの中で、このツアーを振り返り、再結成の舞台裏、ボーンヘッド、ギター3本という新しい編成について語り、さらにバンドの今後の活動について語っています。
「バンドが再結成するという連絡を受けて、僕は“なるほど…で、メンバーは誰?”と聞いたんだ。そしたら“(君も)バンドのメンバーだけど、ボーンヘッドも一緒だ”と言われた。その瞬間、“マジか、これは違うものになるだろうな…でも本質的には同じだな”と思ったよ。
みんなより何カ月も何カ月も前から知っていて、みんなにその質問をされるたびに隠し続けるのは、ものすごく変な気分だったよ。発表の朝、娘から“嘘つき!”ってメールが来て、息子からは“(電話が殺到するだろうから)番号を変えるしかないね!”ってメールが来たよ。
ボーンヘッドとはこれまで何度も会っていて、いつもいいやつだと思っていた。今では彼のことをもっとよく知っている。ほとんど兄弟みたいに思えるくらいにね。
僕は99年に加入したんだけど、状況がそうさせたのであって、彼の代わりではなかった。ただ方向性が変わっただけなんだ。もちろんオアシスにはギターが2本必要だったけど、ノエルに“バレーコードだけ弾いてりゃいい”なんて言われたわけじゃない。僕が入った時点で、そこは完全に自由だった。
最初のリハーサルでは、まだベース奏者すらいない状態で、小さな部屋で6曲くらい通して演奏した。その時ノエルが“Cigarettes and Alcoholのあの部分、知ってる?弾ける?”って言ってきたんだ。それを聞いて僕は“これなら全てがやれるな”って思ったよ。
僕たちはオアシスのその側面を発展させた。ちょうど『Standing on the Shoulder of Giants』をレコーディングしたばかりで、最初のシングルが“Go Let It Out”だった。ライブでは、その曲のリードを僕が弾くことになったし、“Gas Panic!”みたいな曲も、それまでとは違ってた。方向性が変わったんだよ。
だからボーンヘッドの代役ってことじゃなかった。彼とは別物だったんだ。今、彼と一緒に弾いてみると、彼が基盤になっていることに気付く。彼が接着剤になって、他のすべてを素晴らしい音にしている。リズム・ギタリストとして見過ごされがちだけど、彼には独特のフィーリングがあるんだよ」
Q:3人のギタリストを擁するオアシスの演奏がどうなるか、様々な憶測が飛び交ったが、実際には本当に美しくまとまっていました。レコーディング通りのギター・レイヤーを再現できていました。
「本当に扉が開けたというか、全部が開けた感じだった。最初に集まったときにノエルが“ギター3本のバンドにいたことある?”って聞いた。僕は“冗談だろ?”って返したら、彼は“ボーンヘッドにはボーンヘッドらしいことをやってもらって、俺たちはそれに合わせればいい”って言っていた。
ボーンヘッドがアコースティックかエレキを弾く時とか、そういうのは僕たちで調整した。“Morning Glory”をやっていた時、サビで僕があるフレーズをやったら、ノエルが“それ、いつもやってたっけ?”って言うんだ。僕は“いや。でも今はギターが3本あるんだから、できるよ!”って答えたよ。
あれはただのオーバーダブで、知ってのとおりオーバーダブなんていくらでもある。ノエルはギターを重ねるのが本当にうまい。全てが詰まっているけど、想像以上にクリーンなんだ。ちょっとした荒さも混ざっているけどね。
こう言っていいなら、みんな“Champagne Supernova”が今までで最高の出来だと思ってたんじゃないかな? あの曲には独特のダイナミクスと本当に良い感触があった。全てはリアムのヴォーカルから逆算して作った。彼の歌い方こそがそれを可能にした。壮大さがありつつも、どこか切なさも感じさせる曲だったから、そのままの形で仕上げたんだよ」
Q:ツアーが始まる前から、これが大成功になるだろうとは予想していたのでしょうか?
「答えは二つある。誰もこれほどの反響を予想していなかった。どの街でも、僕らと観客の間の感情が同じだったなんて前代未聞なことだよ。どのライヴも、ただただ喜びに満ちた祝祭の場だった。
もう一つの答えとしては、最初のセットリストを見た瞬間にすぐにわかった、ということ。信じられなかった。“うわー、まだSupersonicにすら辿り着いてないのに!”って感じで。そこからはもう本当にとんでもなかった。彼らはずっと前から入念に調整を続けていた。変更も加えられて、最初はたしか27曲用意してたんだけど、最終的には23曲になった。
みんなでリハーサルをする初日まで、(ノエルとリアムの)二人が一緒にいるのを見たことがなかった。ふと目をやって、たった1.5メートルくらいしか離れていない彼らを見て、まるで解散なんてしてなかったみたいに感じた。でももちろん、僕はギターを手にしてるし、やることが山積みだったから、そういうのはそれでおしまい。甘ったるい雰囲気とか、“クリスマスには何が欲しい?”みたいな感じじゃなかった! 真面目に仕事モードで取りかかっていたんだ」
Q:ツアーが進むにつれて、リアムとノエルが本当に楽しんでいて、ステージで一緒にいることを楽しんでいることが誰の目にも明らかでした。
「まさにそのとおり。本当にそうだった。ステージへ上がる階段で、二人はすぐに笑い合い始める。まるで耳元で囁き合い、顔を突き合わせているようだった。でも、幕が開くと全てが変わる。ライヴが始まるんだ。とはいえ、彼らは兄弟だ――その絆は確かに感じられる」
Q:オアシスの今後の計画はありますか?
「今後のことについては何も知らない。僕は口を出す立場じゃない。何だって起こり得える、何も起こらないことも含んでね。もし何か動きがあるならば、もう僕の耳にも入っているはずだよ。でも、ノエルは“才能溢れる者に休息はない”と言っていた。どう受け取るかはあなた次第だよ!」