チープ・トリック(Cheap Trick)の「Surrender」と「Dream Police」では、
ザ・フー(The Who)「Baba O'riley」の象徴的なシンセサイザーリフを流用していることをプロデューサーのトム・ワーマンが認め、犯人は自分で「完全に盗んだ」と米Guitar Playerの最近のインタビューの中で証言しています。
「
ピート・タウンゼント(Pete Townshend)は、いつだって僕にとって最大の音楽的インスピレーションだった」と語るワーマンは、「Surrender」の制作中にリック・ニールセンがエレキギターでこの曲の冒頭のコードをかき鳴らすのを聞いていて、ふと、このパワーコードの後ろに「Baba O’Riley」のリフを重ねるという考えが浮かんだという。「僕は、ただ盗んだだけだ」と彼は認め、こう続けています。
「ザ・フーの“Baba O’Riley”のキーボード・リフを拝借して“Surrender”に入れた。その方が良く響いていたし、リックの代名詞的なリフを支えてくれてくれたからね。それが僕の主な貢献だった。
“Surrender”の仕上がりには本当に満足していた。僕らは全員、この曲に興奮していた。大ヒットにはならなかったけど、ラジオで頻繁に流れたんだ。
普通、アルバムのA面のトップを飾る曲は、その作品で最も強力な曲を選ぶものだろう? 『Heaven Tonight』のA面最初の曲は“Surrender”だった。あのアルバムには素晴らしい曲が本当にたくさん収録されていたので、トップにふさわしい曲は他にもたくさんあった。それでも、この曲が選ばれたんだ」
その後、「Dream Police」でワーマンは再びザ・フーの「Baba O'riley」からインスピレーションを得ました。
「あのシンセサイザーのリフが“Dream Police”で再び登場したんだ。ほとんど同じフレーズで、半分の時間やった。
(この曲ではシンセサイザーではなく本物の弦楽器奏者が起用されました)
リックが“Dream Police”用に本物ののストリングス・アレンジを書いたんだ。たぶん、本物のストリングスを使ったのはこの曲だけだと思う。例外は“Auf Wiedersehen”で、ベースを補強するためにチェロを2本重ねたくらいだね。
あのアルバムは大きな転機だった。『Heaven Tonight』は当初、だいたい70万か80万枚くらい売れて、前作の『In Color』が約30万枚だったので大きく伸びた。そして『Dream Police』は100万枚を少し超えるくらい売れたので、僕らは順調に売り上げを伸ばしていったんだ」