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ピンク・フロイド『炎』50周年記念盤収録の「マイク・ザ・マイク」のライヴ音源 ブラッシュアップしたスティーヴン・ウィルソンが作業語る

2025/12/14 22:23掲載
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Pink Floyd / Wish You Were Here 50
Pink Floyd / Wish You Were Here 50
ピンク・フロイド(Pink Floyd)『Wish You Were Here』50周年記念盤『Wish You Were Here 50』には、「マイク・ザ・マイク (Mike The Mike)」の愛称で知られる有名なテーパー、マイク・ミラードが客席で録音したライヴ音源が、スティーヴン・ウィルソン(Steven Wilson)によってブラッシュアップされて収録されており、初めてのオフィシャル・リリースされています。ウィルソンは米ビルボード誌の新しいインタビューの中で、この作業について振り返っています。

ウィルソンは14歳のとき、カムデンの露店でミラードのブートレグのカセット版を購入したことがあったという。

今回の『Wish You Were Here 50』のリリースに向けては、ピンク・フロイドのアーカイブ(フロイドは『Wish You Were Here』および『Animals』期のツアーでは公演をプロフェッショナル録音していなかった)にあるものに加え、ファンやインターネットから、「世に出回っているこの時期の録音のありとあらゆるヴァージョンを入手した」という。

彼は、JEMSヴァージョンとして知られる最新の転送版を主なソース素材として選択しましたが、こう続けています。

「忠実度は最高だったが、何世代にもわたるアップグレードを経て、ドロップアウトがとても多かった。解像度が少し高くなり、機器が少し良くなるたびに、テープは劣化していったんだよ。そのため、僕が多くの時間を費やしたのは、別のヴァージョンでドロップアウト部分を補い、可能な限り最高の音質を持ちながら、かつ音質の劣化を最小限に抑えたヴァージョンを作成することだった」

ウィルソンは、目的は、完璧で洗練されたライヴ・アルバムを作ることではなかったと強調しています。

「これはあるがままのものなんだ。あくまでもブートレグであって、ブートレグらしい音なんだよ。とはいえ、非常に非常に高品質ではある。一部の人たちは、僕が人工知能を使って抽出したり、あらゆる種類の小細工をしたりするのではないかと思ったかもしれないが、僕はそれをしたくなかった。ほんの少し魔法の粉を振りかける程度で、ステレオ感を広げ、不快な周波数を取り除き、低域を少し強調し、不均一さを解消した。でも、あまり手を加えすぎないようにもした。何しろ、これは非常に有名な録音だからね。(また、当日、曲間に長々と行われていたチューニングの一部も取り除いたという)

僕はただ、聴き心地を良くし、何度も聴きたくなるようなものにしようとしただけ...これが本質的にオーディエンス録音であるという事実を隠そうとはせずにね」

■『Wish You Were Here 50』