レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)の
フリー(Flea)が2006年以降、スタジオでのメイン楽器として愛用している、1961年製のシェルピンクのフェンダー・ジャズ・ベース。この楽器との出会いは、まだサービスを開始したばかりのツイッターでした。リック・ベアトとの新しいインタビューの中で振り返っています。
フリーは長い間、楽器機材オタクからは程遠い存在だったという。
「(ミュージシャンが)機材にこだわるのを見て、いつも“勘弁してくれよ。大事なのは指先とハートだ。どんなクソみたいな機材でも構わない”って思ってたんだよ。ずっとそう感じてた。それは俺の傲慢な考えの一つだったんだ」
ところが、古いフェンダーを試奏し、その音色に共鳴した瞬間、全てが変わったという。それは目からウロコが落ちるような体験で、その瞬間から完全に魅了されました。
ヴィンテージ・ベースを探していたフリーは2000年代のある時、当時サービスを開始したばかりのツイッターを利用し始めていました。
「ツイッターが始まったばかりの頃だった……“ベースが欲しい”って投稿したら、ある人が“君にぴったりのがあるよ”って返信してきたんだよ。それで、タワーレコードの駐車場でその人と会って、そのベースを渡してくれた。俺のモジュラスと交換したんだ!」
「それは君の方が得したね」とベアトが言うと、フリーはこう続けています。
「俺がこれほどまでに(このベースを)活かしていることを、彼が喜んでくれているといいな。手に入れてから全てのアルバムをこれで録音した。チリ・ペッパーズの大規模スタジアム公演ではあまり使わないんだ。古いピックアップとかの関係でね。でも本当に美しいベースだよ」
それ以来、彼のフェンダー・ジャズ・ベースへの愛は途切れることなく続き、2016年には自身のシグネチャー・ベースをリリースするまでに至りました。それは、ツイッターで出会った、この希少な一本を精密に再現したモデルでした。フリーは発売時に「61年製フェンダー・ジャズベースは魔法のようだよ。これまで弾いた中で本当に最高のベースだ」と語っています。