Gene Simmons of KISS testifies @ Congress, Music Fairness Act
米国では、曲がラジオで流されても演奏者には楽曲使用料は入りません。ソングライターには入ります。つまり、ヒット曲が何度も流れても、曲を書いていない場合、その演奏者には楽曲使用料は何も入りません。
米国のラジオ業界は長年、エアプレイによるプロモーション効果だけでアーティストへの報酬は十分だと主張してきましたが、衛星放送やストリーミング配信会社が演奏者へのロイヤリティ制度を導入するにつれ、地上波ラジオにも同様の導入を求める圧力が高まっています。
12月9日、米国上院司法委員会知的財産小委員会で、曲がラジオで流された際、ラジオ放送局に対し楽曲使用料の支払いを義務付ける「アメリカン・ミュージック・フェアネス法(American Music Fairness Act)」についての公聴会が行われ、
キッス(KISS) の
ジーン・シモンズ(Gene Simmons) が「アメリカン・ミュージック・フェアネス法」の成立の重要性ついて証言しています。
「私は、共和党も民主党も問わず、すべての方々に、ある状況を改善するための支援をお願いしたいと思ってここに来ました。長きにわたり続いてきた不正な行為。そう、まさに不正と呼ぶべき状況を是正する手助けをしていただきたいのです。その実態をお話ししましょう。
ビング・クロスビーは史上最も偉大な楽曲の一つ“White Christmas”を歌いました。これほどアメリカ的なものが他にあるでしょうか? アーヴィング・バーリンによって書かれた曲です。この曲はラジオで、AMでもFMでも、何百万回も流されてきました。毎年クリスマスになると、私たちも、そして世界中の人々も“White Christmas”を聴いています。これはアメリカの曲です。みんなが報酬を得ました。ラジオ局は広告を売り、配管を修理した配管工は報酬を受け取り、ディスクジョッキーも報酬を得ました。ところが、放送で報酬を得られなかった人物が一人だけいます。それがビング・クロスビーなのです。これは驚くべきことです。
なぜこれがアメリカン・ミュージック・フェアネス法と呼ばれるのかについて話したい。そう、これはフェアな法案なのです。というのも、今はフェアじゃない状況が続いています。これはアメリカの音楽の話なのです。アメリカです。私が知る限り、ジンバブエは世界に音楽を何ももたらしていない。フランスの歌だって私は歌えないし、他の誰も歌えない。この惑星を支配しているのはアメリカの音楽なのです。エルヴィス(プレスリー)は何百曲も歌いました。私は彼が存命中に会ったことがありまる。ですが、悲しいことに、彼の音楽が世界中で何百万回も流れたのに関わらず、彼は一銭も受け取っていません。アフリカに行っても、エルヴィスの音楽が聴こえてきます。あれは私たちの使者なのです。どんな外務大臣よりも偉大で、クールで、優れています。アメリカの文化は、私たちの音楽、ポップカルチャーとともに広がっていきました。でも、エルヴィスは一銭も受け取っていません。
この法案は可決されます。“もし”なんて言葉は負け犬のためのものです…私たちは絶対にこの法案を通します。これは超党派の支持を得ています。皆さんは民意を汲むことになるでしょう。最近の世論調査でアメリカ国民の70%が“この不正を今すぐ、そして永久に正してほしい”と答えています。ゴール直前で足踏みしても意味はありません…私たちが話しているのはAMとFMラジオのことだけで、フランク・シナトラやエルヴィス・プレスリー、ホイットニー・ヒューストン、セリーヌ・ディオン、そしてケネディ・センター名誉賞を共に受賞した私の新しい親友であるジョージ・ストレイトに対して報酬を払うことについてです。
私はジョージのところへ行って、家族のことや“どこ出身?”と話し始めました。彼が“テキサス”と言っていたので、私は“俺はイスラエル。まあ同じことさ、地球という惑星だ”と言いました。それからいろいろ話をして、私は彼に言ったんです。“ジョージ、君の大ヒット曲の一つ、Amarillo(By Morning)はAMとFMラジオで何十万回も流れているけれど、その放送で君が一銭も受け取ったことはないって知ってるかい?”。彼は周りを見回して“どういう意味だい?”と言いました。彼は他人が書いた曲を歌っているからなのですが、“どういう意味だい?”って。彼は側近たちの方を向いて確認しました。“それは本当です”と。これ、どう弁明するつもりなんですかね?
独裁者が率いているとされるロシアに後れを取っていいのでしょうか? 彼らの方が我々のロックンロールの王様にきちんと支払いをしているのに、どうして私たちは今日のアーティストや未来のアーティストに支払わないで見て見ぬふりをすることができるのでしょうか? 現実を見ましょう、私たちの子どもたちは明日のスターです。彼らは必死にしがみつきながらトップに上り詰めようとするだろうし、それは本当に大変なことです。そして懸命に努力して頂点に立った時、得られるものは何か? ゼロです。そんなのはアメリカ的じゃない。この法案に反対するなら、その人は非アメリカ人です。この不正を放置してはいけない。
一見すると些細な問題に見えるかもしれません。世界では戦争やあらゆることが起きています。私たちの世界への使者はエルヴィスやフランク・シナトラですが、彼らは、私たちがスターを正しく扱っていないこと、つまり奴隷よりもひどい扱いをしていることに気付いた時、きっと驚くでしょう。奴隷には食料と水が与えられている。エルヴィスもビング・クロスビーもシナトラも、そのパフォーマンスに対して何も受け取っていいない。今こそこの状況を変えねばなりません。私たちの子供たちのため、そのまた子供たちのために。皆さんなら必ずやってくれると信じています。大統領は必ず署名します。正しいことをやりましょう。アメリカに神のご加護がありますように」
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