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米国 曲がラジオで流されてもパフォーマーには使用料は入らない現状を変えるための法案成立の必要性をジーン・シモンズがホワイトハウスで熱く語る

2025/12/08 20:54掲載(Last Update:2025/12/08 21:03)
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Gene Simmons
Gene Simmons
米国では、曲がラジオで流されてもパフォーマーにはラジオ使用料は入りません。ソングライターには入ります。つまり、ヒット曲が何度も流れても、曲を書いていない場合、そのミュージシャンにはラジオ使用料は何も入りません。「そんなのおかしい」と立ち上がった300人以上の主要アーティストたちは今年始めに議会に、曲がラジオで流された際、ラジオ企業がパフォーマーに報酬を支払うことを義務付ける「アメリカン・ミュージック・フェアネス法(American Music Fairness Act)」の可決を促す書簡を送りました。

主要アーティストの中には、キッス(KISS)ジーン・シモンズ(Gene Simmons)もいて、シモンズは12月9日に行われるアメリカ上院司法委員会の公聴会で「アメリカン・ミュージック・フェアネス法」について証言する予定です。

これに先立ちシモンズは12月5日、「ケネディ・センター名誉賞」受賞のために訪れたホワイトハウスの記者会見場で「アメリカン・ミュージック・フェアネス法」について、こう話しています。

「俺は(12月9日に)共和党と民主党の両方を含む上院議員たちに対して、アメリカ・ミュージック・フェアネス法は成立しなければならないと強く言わなければならない。

エルヴィス・プレスリー、フランク・シナトラなど、皆さんが愛するアーティストたちの多くは、あなたがラジオで彼らの歌声を聴いたとき、一銭も受け取っていない。全く何も。ラジオはパフォーマーに対して一度も支払っていない。にもかかわらず、ラジオ業界は毎年ほぼ140億ドルを稼いでいる。

アメリカでは、一生懸命働けば報酬を得るべきだ。しかし、これは昔から続く事実であり、悲しいことにこの不正は誰にも注目されずに続いてきた。俺たち自身は生計を立てられているから、それほど影響はない。でも俺たちの子ども、(息子の)ニックと(娘の)ソフィーはどちらも成功したアーティストだ。彼らの将来を守る立場として、この不正をこれ以上続けさせるわけにはいかない。

もしアーティストの楽曲がラジオで流れるなら、彼らは報酬を得るべきだ。ラジオ局は俺たちの名前や肖像を使って自分たちの局を宣伝し、広告主からお金を受け取っている。年間140億ドルを稼いでいる。50年の歴史を考えれば、とてつもない金額になる。俺たち皆が敬愛するアーティスト――シナトラからエルヴィスまで――がなぜ、その一部を手にすることはできないのか?それは許されることではないのか?

だからこれは超党派の法案であり、大統領はアーティストを強く支持しているので、必ず可決されるだろう。

そもそも世界の音楽を最初に生み出したのはアメリカだ。ロックンロール、ブルース、ジャズ。その多くはもちろん黒人音楽に由来しているし、カントリー&ウエスタン、ヒップホップもここで生まれた。それなのに、アメリカの声であり文化であるアーティストたちに、技術を磨く努力をさせながら報酬を支払わないでいるんだ」

米国のメディアによると、米国のAM/FMラジオは、パフォーマーの仕事に対して未だに報酬を支払わない米国で唯一の主要音楽配信プラットフォームであるという。Apple Music、Spotify、Pandora、SiriusXM、YouTube、TikTok はいずれもパフォーマーに報酬を支払っていますが、企業ラジオ業界はアーティストに公正な支払いをせずに毎年数十億ドルを稼いでいると報じています。また米国は、パフォーマーへの支払いを依然として拒否する世界で唯一の民主主義国家であり、これにおいては北朝鮮、イラン、キューバと同列に位置づけられるという。ロシアや中国でさえ、パフォーマーへの使用料を支払っていると指摘しています。