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スティーヴ・モーズ 新バンド減少の理由を語る「若者は芝を刈る仕事を選べば音楽で稼ぐ額の5~6倍は稼げると気づいている」

2025/12/08 13:17掲載
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Steve Morse
Steve Morse
ディープ・パープル(Deep Purple)ディキシー・ドレッグス(Dixie Dregs)フライング・カラーズ(Flying Colors)などでの活躍でも知られるギタリストのスティーヴ・モーズ(Steve Morse)は、ポッドキャスト『Boomerocity』の新しいインタビューの中で、新バンド減少の理由として、ロックミュージシャンの生活がかつてほど若者に魅力的ではなくなったと語っています。

「若者が音楽の道を選ぶケースは極めて稀だ。“芝刈り機に乗って芝を刈る仕事を選べば、音楽で稼ぐ額の5~6倍は稼げる”と気づいているわけだからね。でも、いつだって逆境に抗う人たちはいる。

宝くじを買うときだって同じで、“確率的には…このお金は結局、宝くじを運営している政府の懐に入るんだ”なんて考えないよね。“自分が当たるかもしれない。勝者になれるかもしれない”と考えるように、ミュージシャンも自分がその常識を覆せる存在になれると信じている。僕は、生涯をかけて音楽に魂を注ぐミュージシャンなら、必ず生計を立てる道を見出せると信じている。それが私の定義であり、自分が望むこと、好むことを仕事にできる状態こそが成功なんだよ」

モーズはまた、公演費用の高騰がトリビュート・バンドの台頭に影響を与えた可能性にも言及しています。

「不思議ない変化として、ツアーや公演にかかる費用、警備員の確保、駐車場代、その他あらゆるコストが高騰した結果、こうした会場に来られるだけの資金的余裕のあるバンドを見つけるのが難しくなっている。

大半の会場は、フリートウッド・マックとか、(レーナード)スキナードとか、ボストンとか、フォリナーとか、そういうバンドのトリビュート・ショーでスケジュールを埋めているようなんだ。予想もしていなかったことだけど、今や現実だ。巨大なビジネスなんだよ。覆面バンドみたいなものでさ、マスクをかぶった連中がいて、メンバーは入れ替え続けられるんだよ」

モーズは同じインタビューの中で、ドリーム・シアターのギタリスト、ジョン・ペトルーシの技術力を称賛し、技術面では自分が決して到達できない領域にいるとも話しています。

「どれだけ練習を重ねても、どれだけ技術的に自分を高められても、ジョンの演奏を見に行くと、僕が決して到達できない領域にいることを思い知らされる。そこがジョン・ペトルーシの領域なんだ。彼は間違いなくその分野で最高峰の存在だ。そして彼は(スティーヴ・モーズ・バンドの最新アルバム『Triangulation』で)ソロパートをやることに同意してくれた。技術的には彼にとっては寝ててもできるようなことかもしれないけれど、ああやってインスピレーションを与えてくれるのは本当に素晴らしいよ」