
M - Pop Muzik (Official HD Video)
1979年のシンセポップのヒット曲、
Mの「Pop Muzik」が45年以上経った今年、TikTokでトレンド入り。ダンス動画が数多く投稿されています。Mは、坂本龍一ともコラボレーションしたロビン・スコットによるユニット。スコットはMusicRadarの新しいインタビューの中で、トレンド入りしたことを感謝し、また「Pop Muzik」の制作を振り返っています。
「この曲がバズるのを助けてくれた人たちをオーディエンスだとは思っていない。むしろ、TikTokの人たちはコラボレーターのような存在で、僕が世に送り出したアイデアを自分たちのものにしてくれている。とても光栄だし、人々の生活に彩りを添えることができ、それを自分たちの目的のために活用してもらえるのは本当に嬉しいよ。
ある時期、僕は“Pop Muzik”を重荷のように感じていたけれど、実はそれはパスポートであり、入り口なんだ。多くの人は型を見つけると、同じやり方を繰り返すけど、僕は絶対にそうしたくなかった。あの曲が当時、僕にもたらしてくれたこと、そして今もなお続いていることは、ほかの音楽ジャンル、スタイル、サウンドを探求するための扉を開いてくれることなんだ」
「Pop Muzik」での彼のヴォーカルはスポークン・ワード寄りで、ラップに近い部分もあります。
「当時はラップ・アーティストなんていなかったし、自分が何をやっているのかもよく分かっていなかったから、ラップ・アーティストをモデルにしていたわけじゃないんだ。でもこの曲で一つの瞬間を刻み、ポップという文化現象を祝いたかったんだ。エルヴィスとストラトの時代、1954年から25年が経っていたからね。
歌詞の中のサウンドバイトはそこから来ているもので、すべてのDJがプレイしたくなるような曲を作りたかった。成功するか、あるいは大失敗に終わるかのどちらかだったけど、結果的に、あの時代の瞬間を捉えることができたんだよ」
この曲の最初のヴァージョンは、3コードのリズムアンドブルースだったという。それに満足していなかったスコットはカナダ人プロデューサー/作曲家のジョン・ルイスとともに、スネアからハイハットに至るまで、曲のあらゆる要素を個別に録音することにしました。
「彼はザ・フーのピート・タウンゼントのサポートを受けていて、当時の最先端のアナログ・シンセを使って仕事をしていたんだよ。彼に助けを求め、共同作業した結果、最終的に8トラックのヴァージョンができあがり、手応えを感じた。その後それをパリに持って行き、8トラックと24トラックのあるスタジオを見つけて、音源を移して作業を続けたんだ。
徹底的に作り込んだ。良い結果にたどり着くまで徹底的にこだわった。もしプロデューサーがいて、僕が単なるアーティストだったら、僕のやりたいことを辛抱強く聞いてくれる人はいなかったと思う。“Pop Muzik”のような他の曲が出ていたら、この曲は生まれなかったと思う。最終版は風変わりで独特な響きを持ち、あらゆる要素が融合した万華鏡のような作品になったんだ」
ミュージックビデオも成功の一因でした。クイーンの「Bohemian Rhapsody」を手がけた会社が制作し、ブライアン・グラントが監督したビデオは、シングルに映像を伴わせた先駆けの一つでもありました。
「その会社がMCAに来て、ビデオを作りたいアーティストはいないかと尋ねてきたので、僕はぜひやりたいと答えたら、当時BBCはインディーズアーティストを番組を取り上げることに消極的だったにもかかわらず、ケニー・エヴァレットは自分の番組で取り上げてくれた。それでビデオを作り、それが世界中を飛び回った。ライヴパフォーマンスがなかったぶん、このビデオは曲のプロモーションに非常に役立ったよ」
TikTok内の「Pop Muzik」ダンス動画
「Pop Muzik」のミュージックビデオ