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ヒューイ・ルイス 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』主題歌「The Power of Love」の誕生や映画提供の経緯などを回想

2025/12/02 15:05掲載
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Huey Lewis & The News / The Power of Love
Huey Lewis & The News / The Power of Love
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主題歌であるヒューイ・ルイス&ザ・ニュース(Huey Lewis & The News)の「The Power of Love」。ヒューイ・ルイスは英ガーディアン紙の新しいインタビューの中で、この曲の誕生や映画提供の経緯などについて振り返っています。

「スティーヴン・スピルバーグとロバート・ゼメキスが、ボブ・ゲイルとニール・カントンと一緒に僕らに会いたいと言ってきたんだ。彼らは、ちょうど脚本を書き上げた映画があって、主人公はマーティ・マクフライという少年で、彼のお気に入りのバンドはヒューイ・ルイス&ザ・ニュースなんだ、と説明してくれた。そして“この映画のために曲を書いてくれないか?”と聞かれたので、僕は“光栄だけど、映画向けの曲をどう書けばいいのか正直よく分からない。それにBack to the Futureっていうタイトルの曲を書くのはあまり気が進まない”と答えた。すると彼らは“問題ない。君たちの曲なら何でもいい”と言ったので、僕は“じゃあこうしよう。次に制作する曲を送るよ”と言ったんだよ。

うちのギタリストでソングライターのクリス・ヘイズが、すでにコードを書いていて、それをテープに録って僕に渡してくれた。当時、僕はジョギングにハマっていて、ある日走っていたら突然、歌詞が浮かんだ。彼らにデモを送ったところ、ゼメキスが聴いて“もっとアップビートがいい”と言われたので、メンバーともう一度練り直した。

サックス担当のジョニー・コーラがアレンジに加わった。オリジナルのデモでは、ブリッジのコード進行が二度繰り返され、曲はマイナーキーのヴァースで始まっていた。ジョニーはブリッジを一度だけに減らすアイデアを出し、さらにあのポジティブな、メジャーキーの3コードによる大きなイントロも考案してくれた。僕のリード・ヴォーカルは数テイクで録音したよ。

“The Power of Love”をリリースしたとき、初週にラジオで最も多く追加された楽曲になり、ヘビーローテーションされた。興味深いのは、この映画が主要の撮影が終わってから映画公開までの最短期間の記録を保持していること。9週間だった。“The Power of Love”がチャートを駆け上がる中、スタジオはゼメキスに向かって“早く映画を公開しろ、曲が大ヒットしてるんだ!”と叫び続けていた。こうして公開日は前倒しになったんだ。

当時、僕たちはすでにヒット曲があったから、マイケル・J・フォックスやロバート・ゼメキスよりも知名度が高かったことを、みんな忘れがちだ。この映画が世界中で大成功したおかげで、この曲が僕たちにとって初めての大きな国際的ヒットとなり、それが強みとなった。そのおかげで、ヨーロッパや他の地域をツアーできるようになったんだよ」

またソングライターのひとり、クリス・ヘイズは、「奇妙なのは、曲自体は映画とほとんど関係がないってこと。映画の脚本のあらすじを渡されて、最初から最後まで目を通したんだけど、“これ、あまり現実味がないし、面白くならなさそうだな”と思ったのを覚えているよ。大間違いだったけどね!」と振り返っています。