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デヴィッド・バーン、「Psycho Killer」を長年ライヴで演奏しなかった理由語る 演奏に飽きてしまった他の曲も明かす

2025/11/27 14:08掲載
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David Byrne, photo by Shervin Lainez
David Byrne, photo by Shervin Lainez
デヴィッド・バーン(David Byrne)は最新ツアーの初日公演で、トーキング・ヘッズ(Talking Heads)の「Psycho Killer」を19年ぶりにライヴ演奏しました。なぜ、長年演奏していなかったのか? 今再び演奏しようと思ったのか? 米Vultureの新しいインタビューの中で語っています。

「前回のアメリカン・ユートピア・ツアーでは、アメリカ国内や世界で起こっていることを踏まえ、新たな選択肢を提示することが目的だった。今回のツアーもそうだけどね。

あの曲が好きな人が多いのは分かっているけど、“Psycho Killer”はそのテーマには合わないと思ったんだ。それ以前は、おそらく、ただ僕がわがままを言っていただけで、“この曲をやるのはもう飽きた”と思っていただけだと思う。

今回は音楽監督と相談して、“アーサー・ラッセルが何年も前にアレンジした別ヴァージョンがある。音の雰囲気がだいぶ違うんだ。同じ曲で要素は全部揃ってるけど、ロックで突っ走る感じよりも、もう少し内向的な手触りがある”って言ってね。それで“じゃあそれをやろう”って決めたんだ。チェロ奏者もいるから、毎晩チェロのパートをしっかり入れられる。そういう見せ方はきっと楽しいだろうと思ったんだよ。ベースラインが始まった瞬間、誰もがすぐにそれだと分かるけれど、皆が聴き慣れているヴァージョンとは少し違うんだ。

(インタビュアー:他にも、演奏に飽きてしまった曲はありますか?)

“Psycho Killer”はちょっと特別なんだ。あれは僕が初めて書いた曲だからね。僕が曲を書けるかどうかを見るための方法として、僕の視点から書いたものなんだ。そして気づいたんだよ、“ああ、書けるんだ”とね。以降からは方向転換して、“曲を書けるか試す”んじゃなくて、自分が本当にやりたいことに沿った曲を書くようになったんだ。

大きなコンサートでは一度もやっていないのに、やれば盛り上がるだろうな、という人気曲もあるよ。アルバム『True Stories』の“Wild Wild Life”がおそらく最も該当するだろう。孫もあの曲が大好きなんだ。でもあの曲は、映画の特定の場面のために、当時のMTVをほとんどパロディにしたつもりで書いた。だからどうしてもそのイメージから抜け出せない。いつか“まあいいか、今やっちゃえ”と思えるときが来るかもしれない。観客の大半は映画を見ていないだろうから、そのようには見ていないだろうね。でも僕は、どうしてもそう見ちゃうんだよ」