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世界にレゲエを広めたレジェンド ジミー・クリフ死去

2025/11/24 20:50掲載(Last Update:2025/11/25 01:20)
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Jimmy Cliff - Credit : Tom Sheehan
Jimmy Cliff - Credit : Tom Sheehan
世界にレゲエを広めた一人で、ジャマイカの音楽シーンを支えてきたレジェンド、ジミー・クリフ(Jimmy Cliff)が死去。彼の家族がSNSで発表。81歳でした。

以下、家族の声明より

「夫ジミー・クリフが発作に続く肺炎のため逝去したことを深い悲しみとともにお知らせします。彼の人生の旅路を共にしてくださった家族、友人、アーティスト仲間や同僚の皆さまに感謝いたします。世界中のファンの皆さま、皆さんの支えが彼のキャリアの間ずっと彼の力であったことをどうか知っておいてください。彼は一人ひとりのファンの愛を心から感謝していました。また、この困難な過程において多大なご支援とご助力をいただいたCouceyro医師と医療スタッフの皆さまにも心より感謝申し上げます。ジミー、最愛の人よ、安らかに眠ってください。私はあなたの遺志に従います。どうかこの厳しい時期、私たちのプライバシーを尊重していただければ幸いです。詳細は後日お知らせいたします。

また会いましょう、そして私たちはあなたというレジェンドを見つめています。
ラティファ、リルティ、アケンより」




ジミー・クリフことジェイムズ・チェンバースは1944年7月、ジャマイカ植民地セント・ジェームズで生まれる。小学校在学中、近所の音響設備を聴きながら曲作りを始める。チェンバースが14歳の時、父親に連れられてキングストンに移り、そこでジミー・クリフという芸名を名乗り始める。

1960年代初頭から本格的に活動をはじめ、17歳で「Hurricane Hattie」がヒットしたことで、クリフのキャリアは飛躍的に伸びた。彼はアイランド・レコードとの契約後、イギリスに移住した。

1967年、国際的なデビューアルバム『Hard Road to Travel』をリリース。収録曲の「Waterfall」がブラジルでヒットした。1969年には「Wonderful World, Beautiful People」が、1970年には「Vietnam」がリリースされ、どちらも世界各地で人気を博した。ボブ・ディランは「Vietnam」をこれまで聴いた中で「最高のプロテスト・ソング」と評した。クリフはまたこの時期、キャット・スティーヴンスの「Wild World」をカヴァーし、全英8位を記録した。

1972年には、1970年代初頭のジャマイカ社会の現実をリアルに描いたジャマイカ映画『ハーダー・ゼイ・カム』に主演。そのパフォーマンスを通じて、レゲエを世界に紹介する上で重要な役割を果たした。本作はサントラ盤とともに長らく愛され続けている伝説的作品である。

クリフは1980年代にはローリング・ストーンズのアルバム『Dirty Work』にゲスト参加した。

クリフは1970年後半にボブ・マーリィらとともに日本に紹介され、1978年には来日公演を行った。日本ではジャマイカのボブスレー・チームを題材にした映画『クール・ランニング』(1993年)の主題歌としてヒットした「I CAN SEE CLEARLY NOW」でも知られている。

クリフは2003年には、科学、芸術、文学、その他の分野で卓越した国際的功績をあげたジャマイカ人に授与されるジャマイカの「メリット勲章」を授与された。

2010年にはロックの殿堂入りを果たした。