
Julien's Auctions - The Florian Schneider Collection
2020年に亡くなった
クラフトワーク(Kraftwerk)の
フローリアン・シュナイダー(Florian Schneider)が1970年代から1980年代にかけてクラフトワークの楽曲を生み出すために使用した電子機器や楽器などが出品されるオークションが11月19日、米テネシー州ナッシュビルのミュージシャンズ・ホール・オブ・フェイム&ミュージアムで開催されました。
今回のオークションはシュナイダーのエステート(遺産管理団体)が提供するもので、スーツケースに入っていたシンセサイザー、フルート、ロボットのような声を出すために使用したボコーダーなど、彼の遺品500点近くが出品されました。これには、100点以上の金管楽器・木管楽器コレクション、多数のポラロイド写真、サングラス、1978年までのツアーで使用していたパスポート、彼がグレーに塗装し直したVW(フォルクスワーゲン)パネルバンなども含まれています。
クラフトワークが1978年のアルバム『The Man Machine』と1981年の『Computer World』で使用したと思われる、オリジナルのケースに入ったゼンハイザーの「Kling Klang VSM-201 ボコーダー」は予想価格(3万~5万ドル)の5倍以上となる25万6000ドル(約4千万円)で落札されました。
1974年のアルバム『Autobahn』で使われたと考えられている「EMS Synthi A スーツケースシンセサイザー」は予想価格(1.5万~2万ドル)の5倍以上となる11万5200ドル(約1800万円)で落札されました。
「Tour de France」のミュージックビデオでシュナイダーが乗っていた自転車「パナソニック パナレーサー ロードバイ」は予想価格(4千~6千ドル)の9倍以上となる5万7600ドル(約900万円)で落札されました。
<フロリアン・シュナイダー・コレクションの主な落札結果>
■Kling Klang Sennheiser VSM-201 Vocoder In Original Case, $256,000
■Stage Played EMS Synthi A Suitcase Synthesizer, $115,200
■Robovox And Votrax Silver Rack Case With Phoneme Keyboard, $76,800
■Panasonic Panaracer Road Bike From The Music Video for "Tour de France" ("Kling Klang Analog Mix") with Polaroid Photos ($57,600)
■1964 Volkswagen Type 2/T1 Kastenwagen, $44,800
■Kraftwerk Lenticular Print, $25,600
■Korg PS-3200 Polyphonic Synthesizer With PS-3010 Keyboard, $25,600
■“Ruhe” Electric Kling Klang Recording Studio Sign, $19,200
■1960s Stage And Studio-Played Orsi Albisiphon Bass Flute, $12,800
■1981 Computer World Tour Japanese Concert Poster, $5,120
■1982-1986 Keilwerth Toneking 3000 Jazzophone, $5,120
詳細は以下のURLのページでご覧になれます。
https://www.juliensauctions.com/en/auctions/the-florian-schneider-collectionシュナイダーのエステートの広報担当者は、今回のオークションは、彼の楽器と個人的なコレクションを「自分の死後も生き続けさせたい」というシュナイダー本人の願いを叶えるものだと述べています。こう続けています。
「彼はいつも、楽器は演奏され共有されるべきものであり、使われずに放置されたり、倉庫でほこりをかぶったりするものではないと信じていました。彼は自分の機材が、本当に価値を見出してくれる人たち(ミュージシャン、コレクター、そして音の芸術に触発される人々)の手に渡ることを望んでいました」
以下、オークションの紹介映像