ボン・ジョヴィの元マネージャー、現在の音楽業界ではボン・ジョヴィは成功できなかっただろうと語る「今じゃ、アルバム3枚の契約なんてない」

ボン・ジョヴィ（Bon Jovi）の元マネージャー、ドック・マギーは、現在の音楽業界ではボン・ジョヴィは成功できなかっただろうと考えています。先日開催されたイベント「Kiss Kruise: Land-Locked in Las Vegas」のQ＆Aセッションで、マギーは現在の音楽業界が「テクノロジーと過剰な貪欲さ」に蝕まれていると指摘しています。

「モトリー・クルーは、あの感染力と若者の共感で成功したと思う。でもボン・ジョヴィは成功しなかっただろう。（商業的にブレイクする3作目）『Slippery When Wet』にたどり着くまでに時間がかかりすぎた。今じゃ、アルバム3枚の契約なんてない。シングル1曲の契約だ。Spotifyには毎日187, 000曲が登録されている。狂ってる！　しかも来年か再来年には1日30万曲を超えるだろうって言われてるんだ。

昔は、みんなが生きられる仕組みがあった。サンゴ礁みたいにね。マネージャーはできることにも限りがあって、獲れる魚の数も限られていたし、音楽出版社だって獲れる魚の数は限られていた……それでも生態系は維持されていた。ところが今は企業が乗り込んできて、その生態系を破壊してしまった。

だから、これから入ってくる若い子たちはこう言うんだ。“ツアーじゃ稼げない。費用がかかりすぎる。Spotify（のヒット曲のプレイリスト）にも入られないし、どこにも入られない。情報が多すぎて、ごちゃごちゃしすぎている”ってね。

で、何が起きるかっていうと、次のボブ・ディランも、次のモトリー・クルーも、次のAC/DCも、次のレッド・ツェッペリンも失うことになるんだ。だって彼らは“これじゃ食っていけない。だから親父のところで働かなきゃ”って言うようになるからさ」