
United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland: UK
英国政府は11月19日、ライヴ・イベントのチケットを購入価格よりも高い価格で転売することを違法とする計画を正式に発表しました。これはコンサートだけでなく、演劇、コメディ、スポーツ、その他の種類のライヴエンターテインメントにも適用されます。
発表された新しいルールは、以下のとおり。
■定価を超えるチケットの転売は違法です。チケットは定価にサービス料などの避けられない手数料を加えた金額でのみ販売できます。“定価+避けられない手数料〈サービス料を含む〉”を上限とすることが法律で定義されます。
■転売プラットフォームによって追加されるサービス料には上限が設けられ、新たな価格制限が骨抜きにならないようします。
■転売プラットフォームには、価格上限の遵守を監視し、執行する法的義務が課されます。
■個人が、最初のチケット販売で購入できる枚数を超えるチケットを転売することが禁止されます。例えば、チケットを4枚ずつしか購入できないように制限されていた場合、転売できるのは4枚だけです。
英国政府は、この新規則によって、転売プラットフォームにおけるチケットの平均価格が約37ポンド(約7600円)下がると試算しています。またこの新ルールにより、ファン全体は年間合計1億1200万ポンド(約230億円)の節約になると予測しており、一次販売業者から直接購入するチケットが年間90万枚増加すると予測しています。政府は、この対策により、産業規模のチケット転売ビジネスモデルは終焉を迎えると期待しています。
コンサートやスポーツイベントのチケットの転売価格が高騰していることにファンが不満を示す中、チケットのダフ屋や転売サイトを規制することは労働党政権の選挙公約の1つでした。政府は、定価の数倍でチケットを販売するダフ屋や転売サイトへの対策として、この計画を発表しました。この計画はまだ下院で審議される必要があるため、新ルールがいつ施行されるかはまだ不明です。政府は議会の審議時間が確保でき次第、法案を提出するとみられています。