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エマーソン、レイク&パーマーのカール・パーマーがELPに抱く本音を語る

2025/11/19 20:56掲載
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Emerson, Lake And Palmer
Emerson, Lake And Palmer
エマーソン、レイク&パーマー(Emerson, Lake And Palmer)カール・パーマー(Carl Palmer)がELPに抱く本音を英Progの新しいインタビューの中で語っています。

「俺たちはいつだってテクノロジーを受け入れてきたし、その最前線にいた。『Brain Salad Surgery』の頃は、まさに黄金期で、新しいアイデアを取り入れて、それを音楽に反映させていたんだ。

失礼に聞こえたら申し訳ないけれど、俺たちは『Topographic Oceans』のような抽象的な作品を録音したことは一度もない。一体全体何を表現したかったのか、俺には今でもさっぱりわからない! イエスをけなすつもりはない、彼らは素晴らしいバンドだ。

俺たちには全てが揃っていた、ピンク・フロイドの『The Wall』のように政治的な作品を作り上げることは、結局のところできなかったけれど。

そうした試みをしたのは『Tarkus』の時で、ちょっと漫画っぽかった。戦車みたいな形の動物とかね。全体的にギミックに頼りすぎていて、知的さが足りなかったのかもしれない。でも音楽自体は圧倒的に素晴らしく、だからある意味すべてうまくまとまっていた。ただ、それを十分に長く続けられなかった。そこが問題だった。

残念ながら、『Trilogy』以降はオーバーダビングに頼った。デビュー作のようなアルバムは、ステージ上で3人で再現でき、かつ壮大なサウンドを実現できていた。でも“Tarkus”を全編演奏するのは明らかに不可能だった。あの曲だけで17箇所も編集箇所があるんだから。

『Brain Salad Surgery』ではオーバーダブがさらに多くて、補助のミュージシャンを4人入れないとステージで再現できなかった。70年代にはそれはほとんど眉をひそめられることだった。俺たちは“強力なトリオ”として知られていたから、それをするのは間違っていると思っていた。とにかく最高のアルバムを作らなきゃと考えて、実際に作り上げたが、でも、俺たちが望むほどにはプロデュースもツアーもできなかった。

ジャーナリスト連中からはいつも冷ややかな目で見られていたし、一部のバンドは俺たちが思い上がってるって思って話もしないやつらもいた。でも俺たちは新たな基準を打ち立てていたんだ。ステージにプロダクションを持ち込んだ最初のバンドのひとつで、目を楽しませる視覚的な演出があったり、ちょっとした映像があったり、キースが天井からぶら下がったり……そんなことをやっていた。

やがて大掛かりな演出が当たり前になって、俺たちにはずっと“大げさすぎる、やりすぎだ”とのレッテルがついて回った。でも音楽楽そのものは時を経ても色あせない。

確かにひどいアルバムも作った。『In The Hot Seat』と『Love Beach』は溶かして植木鉢にでもすべきだ。だけどさ、キャリアの中でどれだけ多くの傑作を生み出せる? 俺たちは今でも胸を張れる作品を4つか5つは作れたと思うし、それ以上を望むことはできないだろう」