HOME > ニュース >

カーマイン・アピス、ベック・ボガート&アピスの結成と解散を回想、ジェフ・ベックとロッド・スチュワートの和解を手助けしたことも語る

2025/11/18 20:09掲載(Last Update:2025/11/18 21:17)
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
Beck, Bogert and Appice
Beck, Bogert and Appice
ジェフ・ベック(Jeff Beck)ティム・ボガート(Tim Bogert)カーマイン・アピス(Carmine Appice)によるスーパー・トリオ、ベック・ボガート&アピス(Beck, Bogert and Appice)。アピスはMusicRadarの新しいインタビューの中で、結成と解散について振り返っています。またベックとロッド・スチュワート(Rod Stewart)が不仲だった時期に二人の仲を取り持ち、和解できるよう手助けしたことも話しています。

アピスがベックと初めて出会ったのは60年代後半のロンドンだったという。その2人が再び繋がったのは1969年、アピスがヴァニラ・ファッジで、ベックがジェフ・ベック・グループで活動していた時でした。

「ヴァニラ・ファッジがコカ・コーラのコマーシャルをやることになってさ。俺たちはジェフ・ベック・グループとロッド・スチュワートと同じ弁護士だったんだけど、ロッドとロニーが俺たちのレコーディングを見に来たとき、うちのギタリストのヴィンス・マーテルが体調を崩していたので、マネージャーが“ジェフはどうだ?”って提案してきたんだ。

それで、コカ・コーラのCMのセッションのためにジェフ・ベックを300ドルで雇ったんだ。その時にティムも俺も“ジェフと一緒にやれたら最高だな”って思ったんだ。時代は変わりつつあって、音楽は完全にギター中心になっていたしね。俺たちは彼と一緒にやりたいと本気で思っていたよ」

アピスによると、当初はロッド・スチュワートも参加させたいと考えていたという。

「“ジェフ・ベックとロッド・スチュワート、一緒にどうだろう?”って思ったけど、ロッドはジェフとまた一緒にやりたがらなかった。だから最終的に、1972年に俺たちは3人だけで集まったんだ。

(ベックとスチュワートの間に何があったのか知らないが)ビジネスの面で何かあったんだろう。もしかすると彼(スチュワート)は騙されたと感じていたのかもしれない。でも、ロッドとそのことを話したことはないから本当のところはわからない。俺はいつも“一緒にやれなかったのは残念だよな……”って言うだけだった。

1968年から1983年まで、彼らは敵同士だったんだ。でも1983年、俺は二人の仲を取り持ち、和解できるよう手助けしたんだ。(スチュワートとアピスは)オーストラリアのホテルにいて、ジェフも同じホテルにいた。俺は彼の部屋に行って、ちょっと一緒に飲んだんだよ。

翌日にロッドとのライヴがあったから、ジェフに“ライヴに来ないか?”って誘ったんだ。ジェフは“ロッドは俺が来るのを望まないだろう”って言うから、俺は“いや、来いよ。もう何年も経ってるんだ。お前ら、もう大人なんだからさ”って言ったんだ。

“ライヴに来いよ。大丈夫、心配するな。俺も一緒にいるから”ってね。それで翌日、俺たちが楽屋にいたら、ローディーが“ジェフ・ベックが来てます…”って言うので“中に通してくれ”って言ったんだよ。

俺がジェフを連れて入ったら、ロッドとジェフが顔を合わせた瞬間、まるで時間が止まったみたいだった。みんな静かになって、俺は言った。“ほら、ロッドに挨拶しろよ…”って。ジェフが歩み寄って“よう、相棒”って言って、2人はハグしたんだ」

アピスはまた、ベックがベック・ボガート&アピスを解散させた理由について、こう答えています。

「たぶんティムが彼の顔を殴ったからだよ! ティムは普通のベーシストじゃなかったから、いつも同じことが起きたんだ。ティムは常にリード・ベース奏者だった。ティムは本当にグイグイ来るタイプなんだ、わかる?

彼は相手にガンガン食い込んでくるから、ただグルーヴだけを引き出すなんてできない。ビリー・シーンみたいに、とにかく本当にすごかった。だからそういうことが起きたんだ。ある日、ティムがジェフの顔を殴ったんだ。

ティムはひどく体調が悪かった。気分が最悪だったんだ。そこにジェフが侮辱的なことを言ったから、ティムは思わず彼の顔を殴ってしまった。そのあと俺たちはロンドン・レインボーでの二回目の公演を続けなければならなかった。その模様は最近のボックスセットに収録されているよ」