モーターヘッド(Motörhead)の
レミー・キルミスター(Lemmy Kilmister)が亡くなって2025年12月で10年を迎えます。没後10年にあわせた英Metal Hammer誌の追悼特集号では、彼の関係者がレミーの晩年の健康問題と、彼がそれに対していつものように強気に対処していたことについて語っています。
1992年からモーターヘッドのマネージャーを務めたトッド・シンガーマンはこう振り返っています。
「この問題の始まりは糖尿病だった。それで彼に酒をやめるよう説得しなければならなくなったんだけど、まあ、そんなの無理な話で。彼なりの妥協案がウォッカ+オレンジジュースだった。オレンジジュースは糖分の塊なんだけど、でも彼の頭の中では、よりクリーンなものだったんだ。医者からはよく“もっと水分を、もっと水分補給が必要だ”って言われた。すると、あの野郎、俺の目の前でグラスに氷を2個追加しやがったんだ。
俺は“レミー、もっと野菜を食べなきゃダメだ”って言ったんだ。そしたら彼はサワークリーム&オニオン味のポテトチップスを食べた。やつの中では、それが野菜だったんだよ」
また、2004年から2015年にかけてモーターヘッドのアルバムをプロデュースしたキャメロン・ウェッブは、バンド最後期の作品の一つを録音していた時に起きた、特に危険な状況について、こう振り返っています。
「『Aftershock』(2013年)を始めたとき、レミーはレコーディングが終わったらペースメーカーを入れる必要があると言っていた。医者に診てもらっていたけど、まずはアルバムを完成させたかったんだ。曲単位でプリプロダクションを進めたんだけど、そのうち5曲は全然良くないと思っていた。そこで一度休むことにしたんだ。レミーはペースメーカーを入れて、もっとアイデアを持って残りの5曲に戻ってくる、って段取りでね。ところが、レミーが医者のところに行ったら、医者が“とんでもない!あと一週間遅れてたら死んでましたよ。今日入れないとダメです”って言われてさ。当初は1日で済むはずだったのに、結局2週間くらい入院することになった。彼は危うく死ぬところだったんだ」