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ポール・マッカートニーの新トラックは「無音のスタジオ録音」 英国政府のAIに対する姿勢に抗議する無音アルバムのアナログ盤に提供

2025/11/17 19:12掲載
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Paul McCartney - Photo by Samir Hussein / WireImage, Getty Images
Paul McCartney - Photo by Samir Hussein / WireImage, Getty Images
ポール・マッカートニー(Paul McCartney)の新トラックは「無音のスタジオ録音」。著作権で保護された作品をAI企業が無許可で使用できるという英国政府が計画している著作権法の改正に抗議して、1000人以上のミュージシャンがリリースした無音(サイレント)アルバム『Is This What We Want?』がアナログ・レコード化決定。アナログ盤には、ポールによるボーナストラック(無音のスタジオ録音)が追加されます。英国で12月8日発売予定。1000枚限定。利益はすべてミュージシャン支援団体ヘルプ・ミュージシャンに寄付されます。

英国政府は著作権法を改正し、著作権者が除外を希望しない限り、AI企業は著作権で保護されたものを含む作品を、許可もロイヤルティの支払いもなしに使用して、彼らのアルゴリズムをトレーニングできるようにする計画です。このプロジェクトはそれに抗議するものです。この改正案には、クリエイター側が自身の作品が使用されるのをブロックできる「オプトアウト」オプションが含まれていますが、これは不公平で実行不可能だとも批判されています。

この無音アルバム『Is This What We Want?』は、作業休止中の音楽スタジオやパフォーマンス・スペースを録音した音源集です。参加しているのは、ケイト・ブッシュ、デーモン・アルバーン、アニー・レノックス、トーリ・エイモス、ビリー・オーシャン、ザ・クラッシュ、ハンス・ジマー、さらにクラシック音楽家のカネー・メイソン一家などを含む1,000人以上のミュージシャンたちです。

『Is This What We Want?』は2025年2月のデジタルでリリースされました。英国ではアルバムチャート38位を記録しています。

英ガーディアン紙によると、ポールの「無音のスタジオ録音」の長さは2分45秒だという。完全な無音ではなく、テープノイズや、誰かがドアを開けて歩き回っているような音と思われるノイズなども含まれていると同紙は報じています。

■『Is This What We Want?』アナログ盤 公式ショップサイト
https://1000artists.greedbag.com/buy/is-this-what-we-want/

■『Is This What We Want?』デジタル版