
Earth (Image credit: Jim Simpson)
オジー・オズボーン(Ozzy Osbourne)の妻でマネージャーのシャロンは、ブラック・サバスの初代マネージャーがリリースを計画している、
ブラック・サバス(Black Sabbath)がまだ“アース(Earth)”と名乗っていた時代、1969年の未発表デモ音源集を、バンド・メンバーの承認なしにリリースしないよう公の場で警告しています。
サバスの最初のマネージャーであるジム・シンプソンは、これら音源をアルバム『The Legendary Lost Tapes』としてリリースする考えで、9月には一旦YouTubeで配信されましたが、すぐに削除され、その後もリリースは実現していません。
リリースが発表された際、発売元Big Bear RecordsのPR担当者は英Classic Rockの取材に応じ、「これは合法的で認可されたリリースなのでしょうか?」の質問にこう答えていました。
「私の理解では、この新しいアルバムはサバスの元マネージャー、ジム・シンプソンが1969年に録音費用を負担して制作したプロジェクトです。バンドメンバーは現在、積極的に関与していませんが、彼らはこの件について知らされており、売上からのロイヤルティを受け取ることになっています」
シンプソンは自身が録音費用を負担したので、この録音音源をリリースする権利を保持していると主張しています。また2024年にバンドにアルバム発売の意向を伝えた際、シャロンから「非常に脅迫的な」メールを2通受け取ったとも主張しています。
これに対して、シャロンは公の場であるSNSで、この企画を非難。自身がシンプソンに送ったメールも公開して、メールは脅迫的ではなく、ブラック・サバスの法的立場に関する事実を明確に述べたものであると説明。またシャロンは、録音の法的所有権に異議を唱え、バンド自身もリリースを望んでいないと主張しています。
彼女はSNSに次のように投稿しています。
「Big Bear Recordsが“英国で最も長く続いている独立系レコードレーベル”であるという彼の主張は誤りです。Big Bearは有限会社ですらなく、公開会計書類も提出していません。
シンプソンはまた、“ジョニー・キャッシュ、バディ・ホリー、マレーネ・ディートリッヒ、カウント・ベイシー、デューク・エリントン、ディグビー・フェアウェザーなど何百人ものアーティストの膨大なカタログを持つ老舗企業である Trapeze Music Entertainment Ltd(取締役はジョン・クーパー)と新たな流通提携を結んで、Big Bear Records を再始動させる過程にある”と述べています。彼が言及しているアーティストやその遺産管理者が、米国での販売を許可したとは到底考えられません。
Trapeze Musicは英国を拠点とする“著作権切れ”レーベルで、53万9,000ポンドの負債があり、エンターテインメント部門は144万2,000ポンドの負債を抱えていることを知っておいてほしいです。Trapeze 傘下にあった以前の会社、Discovery Records Limited(取締役はジョン・クーパー)は2018年に推定140万7388ポンドの赤字で清算されました。
彼が言及するこれらのアーティストの録音は、米国では著作権が切れていないようですが、Trapeze は MVD と呼ばれる米国内の輸入ディストリビューターを通じて販売しています。MVD は、シンプソンの弁護士が、ブラック・サバスの音源は著作権が切れていないと告げられたにもかかわらず、そして14日前の通知なしには一般にリリースしないことに同意していたにもかかわらず、うっかりブラック・サバス(アース)の録音を米国でデジタル配信し、その後、すぐにそれを撤回したと主張しています」
シャロンは、このリリースに異議を唱える7月のメールの中で、次のように書いています。
「ご存じのとおり、バンドはこれらのテープの公開を望んでいません。あなたがずいぶん前にコピーを提供すると言っていたにもかかわらず、バンドはまだ一度も聴いていないことも理由の一つです。
ブラック・サバスはバンドとして黙って見過ごすような存在ではないことはご存知でしょう。もしもバンドの意向に反してこれを強行するなら、権利が侵害された時点で、ここでもアメリカでもあらゆる法的措置を取ることをお約束します。
また、全てのブラック・サバスのファンに対して、これはバンドが公開を望んだ素材ではないこと、購入すべきではないこと、そして公開を意図していなかったデモ音源をあなたがバンドの意向に反してリリースしようとしていることを明確に伝えます」