人間の作成した楽曲と完全AI生成楽曲の違いを判別できない人は97％　最新調査報告

聴いている曲が完全AI生成なのか、人間が書いたものなのか、その違いを判別できますか？　フランスのストリーミングサービス「Deezer」は、日本を含んだ8カ国9,000人を対象に調査を行った結果、人間の作成した楽曲と完全AI生成楽曲の違いを判別できない人は97％にのぼると報告しています。

Deezerが11月に発表した新しい報告によると、同サービスに毎日追加される楽曲のうち、約5万曲が完全AI生成楽曲であると報告。1日あたりの配信数は2025年を通じて急増しており、1月には1日あたり1万曲、4月には2万曲、9月には3万曲に達していました。

この統計と併せて、Deezerは音楽業界におけるAI活用に関する新たな調査結果も発表しました。この調査はIpsosが実施し、米国、カナダ、ブラジル、英国、フランス、オランダ、ドイツ、日本の8カ国で合計9,000名が参加しました。

■AIに関する一般的な認識：

●98％がAIについて少なくとも聞いたことがある
●72％がAIを少なくとも数回使用したことがある
●55％がAIに対する最初の感情として「好奇心」を挙げている
●19％がこの新技術に対する最初の感情として「信頼」を挙げている

■AIによる音楽発見・創作：

●46％がAIによって好みの音楽をもっと発見できると考えている
●51％が今後10年でAIが音楽制作に重要な役割を果たすと考えている
●51％がAIによってストリーミングプラットフォーム上で低品質で画一的な音楽が増えると考えている
●64％がAIは音楽制作における創造性の喪失につながる可能性があると考えている

■AI生成音楽の認識と消費：

●97％が完全にAIが生成した音楽と人間が作った音楽の違いを区別できなかった (ブラインドテストでAI生成楽曲2曲と本物の曲1曲を聴き比べた）
●52％がAIと人間が作った音楽の区別がつかないことに不快感を覚えた
●音楽ストリーミング利用者の66％が好奇心から、完全AI生成音楽を少なくとも一度は聴くと答えた
●音楽ストリーミング利用者の45％は、完全AI生成音楽をプラットフォームからフィルタリングしたいと考えている
●音楽ストリーミング利用者の40％は、完全AI生成音楽に遭遇した場合、聴かずにスキップすると答えた

■透明性：

●80％が100％AI生成の音楽にはリスナーに分かるよう明確なラベル表示が必要だと同意
●音楽ストリーミング利用者の73％は、ストリーミングサービスが100％AI生成の音楽を推薦しているかどうかを知りたいと考えている
●回答者の52％が、100％AI生成の楽曲を主要チャートで人間が作った曲と同列に含めるべきではないと感じている
●100％AI生成の音楽をチャート上で同等に扱うべきだと考えるのはわずか11％
●音楽ストリーミング利用者の58％は、自分のプラットフォームが100％AI生成の音楽を自分に推薦したことはないと考えており、25％は確信が持てないと答えている