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エクストリームのヌーノ・ベッテンコート、アリス・イン・チェインズのレイン・ステイリーのパフォーマンスを見て学んだ教訓を語る

2025/11/12 20:16掲載
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Nuno Bettencourt (Image credit: Neil Lupin/Redferns via Getty Images)
Nuno Bettencourt (Image credit: Neil Lupin/Redferns via Getty Images)
エクストリーム(Extreme)ヌーノ・ベッテンコート(Nuno Bettencourt)は、アリス・イン・チェインズ(Alice In Chains)のフロントマンだったレイン・ステイリー(Layne Staley)のパフォーマンスを見て学んだ重要な教訓があるという。キックスのスティーブ・ホワイトマンのポッドキャスト『Steve and Rik's POTcast』の新しいインタビューの中で語っています。

「俺たちがツアーを始めた頃、アリス・イン・チェインズを見て学んだことがある。ステージ上で走り回ったり、飛び跳ねたり、動き回るんじゃない。ただそこにいるだけでもいいんだ、っことをね。

初めて一緒にツアーした時、アリス・イン・チェインズは俺たちのオープニングアクトで、90年代のクソみたいな時期に、客なんてほとんどいない、空っぽの会場で演奏していた。ツアーはメキシコのティファナにある古いクラブで始まった。たぶん客は3人くらいだった。

それからオレンジカウンティでやった時も、客はせいぜい10人くらいしかいなかった。俺はアリス・イン・チェインズのサウンドチェックを見に行ったんだけど、そしたら“マジかよ!”って思ったよ。レイン・ステイリーが歌ってるのを見た。バンドにはすごくグルーヴがあって、すげぇ面白いパルスみたいなノリをやってた。でもレインはほとんど目を閉じて歌ってるだけだった。これがサウンドチェックかよって思った。

クルーの何人かは“ちょっとつまらなそうだな”なんて言ってた。俺は“いや、そうか? 俺にはそう思えなかった”と言った。それで本番を見に行った。レインはちょっとは動くんだけど、でもやっぱりじっと立って目を閉じて歌ってた。

あの夜、俺はあることを学んだ。彼が“やってないこと”に引き込まれた。つまり、演奏する時、バンドはサーカスみたいなショーをやってるんじゃなくて、観客を一緒にどこかへ連れて行くようなものだって気づいたんだ。

観客のみんなは、クソみたいな仕事やクソみたいな離婚、抱えているあらゆるクソみたいな問題から逃れて来て、ひとときの安らぎを求めてるんだ。ここにいるのは、パフォーマンスをする猿を見に来ているからじゃない。みんなは、彼が向かう場所へ一緒に行きたかったんだ。

目が離せなかった。彼が“俺を見ろ”とか、典型的なメタルロック (バンド) みたいなことをしていたわけじゃない。俺たちは何かを見ているうちに、彼が俺たちをとんでもない旅へと連れて行ってくれたんだ。ライヴが終わったとき、気づいたよ。“ああ、クソ、俺たち、クソみたいなクラブにいたんだっけ”ってね」