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レニー・クラヴィッツ 「Are You Gonna Go My Way」の誕生経緯を回想

2025/11/05 20:47掲載
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Lenny Kravitz / Are You Gonna Go My Way
Lenny Kravitz / Are You Gonna Go My Way
レニー・クラヴィッツ(Lenny Kravitz)のキャリアを決定づけた大ヒット曲「Are You Gonna Go My Way(邦題:自由への疾走)」。クラヴィッツは、その誕生の経緯を英Classic Rockの新しいインタビューの中で振り返っています。

「1992年、俺はブルーム通りとマーサー通りの角にあるロフトに住んでいた。そこにはミュージシャンが何人も住んでいたから、まあ散らかり放題で、ちゃんとしたメモ用紙や紙なんて置いてなかった。だから、その朝に録ったトラックをカセットにして家に持ち帰って聴いていたんだけど、何を歌うかなんて全く見当もつかなかったんだ。

夜も更けて、多分ハイになっていたんだろうね。突然、曲が降りてきたんだ。メロディが聞こえるし、歌詞も聞こえる。でも紙がどこにも見当たらない! それでキッチン中を走り回って探してたら、誰かが中華料理を持ち帰った時の紙袋が目に入った。袋をビリッと開いて平らにして、古いペンを見つけて歌詞を走り書きした。歌詞は一気に全部出てきた。今でもその紙袋はどこかにあるよ」

こうして生まれたのが「Are You Gonna Go My Way」でした。そには、走り書きの歌詞と共に、その日の早い時間、ニュージャージーのウォーターフロント・スタジオでサイドマンのクレイグ・ロスの指先から生まれた象徴的なギターリフがありました。

「ジャムってたら突然、このフレーズが生まれたんだ。それが何に使うのかは全然わからなかったけど、とにかくすごくいい感じだった。いつものようにワンテイクで録音し、それが俺のカセットテープに残った。本当に素晴らしいリフだよ。

アルバムを2枚出して、“It Ain’t Over ’Til It’s Over”が大ヒットしたたけど、『Mama Said』を作ってた頃でさえ、まだ電車でスタジオに通ってたんだ。

“Are You Gonna Go My Way”の面白いところは、作った時点ではこれがヒットになるなんて全く思っていなかったこと。録音してると、たまに直感的に“これは来る”って感じることもある。でもあれにはなかった。当時ラジオで流れてた曲と比べると、サウンドも録音も生々しさも……かなり風変わりだったんだ、わかるだろ?

“I was born long ago(俺はずっと昔に生まれた)”や“ I am the chosen, I’m the one(俺は選ばれし者、唯一の存在だ)”とか歌ってるけど、もちろんこれは俺自身のことじゃない。キリストのことで、ジーザス・クライスト・スーパースターみたいなところから来ている。ミュージカルみたいに、役になりきって歌ってるんだよ。

クレイグは天才だと思うし、正直に言って、彼が本来受けるべき正当な評価を得られていないと思う。

すべては曲の仕上げ方次第なんだ。1曲のすべての楽器を自分で演奏する場合は、ドラムから始めて構築していく。でも“Are You Gonna Go My Way”については、ギターとドラムを同時に録音したかった。だから俺がドラムを叩いて、クレイグがギターを弾き、トニー・ブライトがベースを弾いた。つまり、ミュージシャンたちと一緒に演奏したトラックのひとつだったんだ。そしてそれは美しかった。あの擦れる音やマイクの漏れ音が混ざり合い、あのサウンドを生み出したんだ」

1993年にリリースされた後、この曲は至るところで流れました。全米チャートのトップに立ち、英国でも4位を記録。ミュージックビデオの後押しもあり、彼が二度と公共交通機関を利用できなくなるほどの反響を呼びました。

「人々が俺のことを認識し始め、状況はだんだん慌ただしくなっていた。そこに“Are You Gonna Go My Way”が出て、すべてが変わった。その後は以前とは、もう同じではいられなかった。生活様式を調整しなきゃならなかったんだ。

でも素晴らしい瞬間だったよ。あの曲は間違いなくクラシックになった。。世界中で流れているのを耳にする。ダンス・ミュージックをかけているナイトクラブでも聴くことがあるし、ときにはミックスに入れられて、ものすごく多くのジャンルをまたいでいるように感じる。マーク・ロマネクが撮ったビデオも大いに助けになった。踊れる曲だってことを示してくれたし、実際にスウィング感もあった。

“Are You Gonna Go My Way”のメッセージは今も通用するのだろうか? 今の世界は本当は過酷だ。俺ら人間が辿り着いたこの状況―互いを、世界をどう扱うのか、このあり方は本当に悲しい。だからこそ、今こそ、このメッセージにはもっと意味があると思う。セットリストから外すなんてありえない。それがなければ完成しない。この曲をライヴで演奏する瞬間はただただ美しい、俺はこれからもずっと演奏し続けるよ」