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メイヴィス・ステイプルズ、プリンス/デヴィッド・バーン/マヘリア・ジャクソンについて語る

2025/10/31 18:58掲載
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Mavis Staples (Elizabeth De La Piedra)
Mavis Staples (Elizabeth De La Piedra)
メイヴィス・ステイプルズ(Mavis Staples)は、彼女のアルバムをプロデュースしたプリンス(Prince)、コラボレーションしたデヴィッド・バーン(David Byrne)、彼女のアイドルであるマヘリア・ジャクソン(Mahalia Jackson)について語っています。英ガーディアン紙企画

■プリンス

「ああ、神様。プリンスと一緒にいる時間はいつだって楽しかったわよ。彼のことが本当に大好きだったけれど、彼は痛々しいほどシャイだった。私よりも妹と話すことのほうが多かった。私のほうを見ると、大きな目をぐるっとさせて微笑むだけ。だから思ったの、“もし彼が私のために曲を書くなら、私のことを知らなきゃだめよね”って。そこで彼に手紙を書いたの。そうしたら、彼が私のためにプロデュースしてくれた最初のアルバム(1989年『Time Waits for No One』)には、私が手紙に書いた内容や言葉が曲や歌詞に使われたの。たとえば、私が葬儀屋と結婚したと伝えると、“The Undertaker”(1993年『The Voice』収録)では、彼は“クラックなんてやめとけ、戻れなくなるかもしれない…葬儀屋の数にもう一人を足すな”って書いたのよ。彼は天才だった。全部を胸の内に溜め込んでおいて、ある時、爆発的に表現するのよ」

■デヴィッド・バーン

「彼もまたシャイな人。主に父と話していたけど、私はデヴィッドが大好きよ。彼はニューヨークでの私の誕生日のお祝いにも来てくれて、一緒に“Slippery People”を歌った。それから、彼のブロードウェイのショーに行くという幸運にも恵まれた。彼は自転車に乗るのが好きなの。(トランプ政権に抗議する)“No Kings(王はいらない)”の行進でも自転車と一緒に撮られていたわね? 驚かないわよ。彼はどこへ行くにも自転車に乗っているから」

■マヘリア・ジャクソン

「マヘリア・ジャクソン姉さんと歌えたのは光栄だった。彼女は私のアイドル。10歳か11歳のとき、(教会に行った時)私は彼女のところに近づいてこう言いました。“私の名前はメイヴィスです。私も歌います”。すると彼女は“まあそうなの?じゃあ聞かせてちょうだい”と言ったので、私は“(教会で歌うので)すぐに分かると思います。私、大きな声だから”と言いました。

(歌い終え)それから私は外に出て縄跳びをしようとしました。子どもたちはみんな説教を聞きたがらなかったので。すると彼女は私を自分のそばに引き寄せて、首に触れて“汗ばんでるわね”と言い、“そんな汗をかいた状態で外に出ちゃだめよ。あなたも私みたいに、おばあさんになるまで歌いたいんでしょ?”と言いました。彼女は声のケアの仕方を教えてくれたんです。それで、私のアイドルは先生であり友だちにもなりました。

(ドキュメンタリー映画『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』のコンサート(1969年のハーレム・カルチュラル・フェスティバル)は本当に楽しかった。マヘリア姉さんは“ベイビー、ヘイリーは調子があまり良くないの”――彼女はいつも自分のことをヘイリーって呼んでいた――“この曲を歌うのを手伝ってほしいの”と言ったので、だから私が“Precious Lord, Take My Hand”に参加したんです。

(1973年にルイジアナ州ワッツで行われたスタックス・レコードのチャリティ・コンサート)ワッツタックスは事情が違った。私たちはラスベガスで仕事をしていたから、急いで向かわなきゃならなかった。だからドキュメンタリーでは、私たちが車の後部座席でランチを食べている様子が映っています。ゆっくり滞在する時間はありませんでした。でも楽しかったわよ」

■これまで一緒に仕事をした中で、最も印象に残っている人は誰?

「まあ、みんなね。自分の仕事ができるのは本当に恵まれていると思うし、皆が私と仕事をしたいと思ってくれることにも感謝している。世界で一番幸せな人生を送ってきたし、これ以上望むものなんてないの。私は幸せな年寄りよ」