キング・クリムゾン(King Crimson)の
ロバート・フリップ(Robert Fripp)は米Guitar Worldの新しいインタビューの中で、購入したが演奏するつもりはまったくなかったギター、自分が保管しているギター、
ロビン・トロワー(Robin Trower)から贈られて約30年後に返却したギターについて語っています。
■購入したが演奏するつもりはまったくなかったギター
「D'Angelicoの17インチのExcelを1978年初頭にニューヨークで購入したが、これは仕事用の楽器として使うつもりはまったくなかった。プロのプレイヤーなら誰でも知っていることだが、いつか必ず金銭面で深刻な問題が起きる日が来る。そんな万一の場合に備えて楽器を用意しておく必要があった。
当時のマネージャーの不正が原因だった。彼は私の2年分のロイヤリティを横流しして私的資金に充て、それが財政破綻を招いた。
だから私はD'Angelicoを売ってPA(システム)を購入した。ずる賢い抜け目のないギタリストたちがヨーロッパツアーに出られるようにね。プロのミュージシャンは、まさかのときが、いつか来ることをわかっているものだよ」
■ロビン・トロワーから贈られて約30年後に返却したギター
「1975年のレディング・フェスティバルで、ロビン・トロワーが私に“フェンダー持ってる?”と聞いてきた。私は“ない”と言うと、ロビンがケースを開けた。そこには1957年製のフェンダーストラトキャスターがあった。彼が“気に入った?”と言ったので、僕は“そうだね”と答えると、彼は“持っていきなよ!”と言った。驚くほど気前がいいよね?
楽器というのは、それを手に取り、その中に身を置くと、やがて身体の延長となる。
弾いている音楽に合ったギターでなければならない。私の良質な楽器は全てギブソンか、そのコピーだ。問題は、なぜかってことだよ。
(57年製のストラトは素晴らしかったが、このギターは彼に合わなかったという)
ある日、おそらく2000年代のことだが、ロビンが“あのフェンダー、まだ持ってる?”と聞いてきた。私は“持ってるよ。素晴らしいギターだけど、今は弾いてない”と答えた。それでロビンのところに持って行って、彼に返したんだ。彼は本当に寛大なプレーヤーであり人間だ。私が言うのもなんだけど、彼は今も素晴らしい演奏を続けている」
■自分が保管しているギター
「81年から84年までクリムゾンでこれ(ローランドG-303シンセサイザーギター)を使っていた。90年代に入って、(クリムゾンで一緒に使っていた)エイドリアン(ブリュー)はもう使わなくなったので、とても気前よく僕に譲ってくれた。だから地下室には、81年から84年のクリムゾンのアルバムで使われた2本のG-303シンセギターが保管されている」
「1986年頃、イギリスに全てのTokaiを輸入していた人物からTokai製のレスポールコピーモデルを譲り受けた。彼は“イギリスにある唯一のTokaiコピーだ。他の全ては返品された”と言っていた。今はあまり弾かないが、今でもお気に入りの楽器の一つだ。ローランドの機材の隣に置かれている。非常に名誉ある存在だ」