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ブルース・スプリングスティーン『Nebraska '82: Expanded Edition』のデジタル版 全曲公開

2025/10/24 08:34掲載
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Bruce Springsteen / Nebraska '82: Expanded Edition
Bruce Springsteen / Nebraska '82: Expanded Edition
ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)の4CD+Blu-ray作品『Nebraska '82: Expanded Edition』のデジタル版がストリーミング配信開始。スプリングスティーンによる初の『Nebraska』全曲再現ライヴ含む4CDの収録曲計37曲がYouTubeほかで聴けます。







『Nebraska '82: Expanded Edition』は10月24日発売。

以下インフォメーションより

『ネブラスカ'82:エクスパンデッド・エディション』に収録される未発表音源の中でも目玉の一つが、スプリングスティーンによる初の『ネブラスカ』全曲再現ライヴである。オリジナル盤発表当時には一切ツアーを行わなかったスプリングスティーンが、40年以上の月日を経て、アルバムの楽曲と再び向き合い。原曲が持つ精神性に忠実に、ライヴ・パフォーマンスならではの細やかな表現を通じて新たな解釈を提示する。

観客を入れずに撮影され、ラリー・キャンベル(ボブ・ディランやリヴォン・ヘルムのバンドなどで活躍してきたギター他のマルチ楽器奏者)とチャーリー・ジョルダーノ(Eストリート・バンドのキーボード奏者)による控えめな伴奏のみを添えた映像作品は、ナレーションや解説、対話といった要素を一切排している。スプリングスティーン自身が語るように、「聴こえてくるのは、登場人物たちの声だけ」なのだ。 

全10曲を曲順通りに演奏するパフォーマンスは、2025年春にニュージャージーのカウント・ベイシー・シアターで収録され、『ネブラスカ'82:エクスパンデッド・エディション』(4CD+Blu-ray:5枚組)には、トム・ジムニーによって撮影された映像(Blu-ray)とともに、ライヴ音源が収録されている。

「『ネブラスカ』のアルバムで唯一やらなかったことは、ライヴで演奏しなかったことなんだ。だから、この作品を祝う方法を考えたときに最初に浮かんだのは、“全曲通して歌うパフォーマンスをやらなきゃいけない”ということだった」とスプリングスティーンは振り返る。

「心配だったのは、あのアルバムが持っていた不気味な雰囲気をどう再現するかという点だったね。幸運なことに、素晴らしいラリー・キャンベルとチャーリー・ジョルダーノが、極限まで切り詰めた楽器編成を支えてくれた。そしてロブ・ルブレットが、ミックスの面でも作品の持つ本来の純度をしっかりと守り抜いてくれたんだ」

監督のトム・ジムニーはこう語っている。
「映像作家としては、気づかれないようにパフォーマンスを引き立てたいんだ。音楽の中に入り込み、見えないパートナーとして寄り添いながら、その表現を運んでいくようにね。前置きや解説なんて必要ない。ただ物語がそのまま展開していく。それこそがブルースのストーリーテラーとしての魅力であり、彼のソングライティング、そしてこのアルバムの美しさなんだ」

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「『ネブラスカ』のあの一束の曲には特別な何かがあり、ある種の魔法を持っているんだ。」
――ブルース・スプリングスティーン

ブルース・スプリングスティーンの名盤『ネブラスカ』が、これまで発表・発見されていなかった数多くの音源をフィーチャーした4CD+Blu-ray5枚組の大拡張版『ネブラスカ’82:エクスパンデッド・エディション』として10月17日リリースとなることが決定した。Eストリート・バンドとの伝説的な「エレクトリック・ネブラスカ」セッションや、自宅レコーディングでの貴重なアウトテイク、更に2025年NJカウント・ベイシー・シアターでの撮り下ろし『ネブラスカ』全曲再現ライヴを映像と音源で収録、また、オリジナル・アルバムの2025年最新リマスター音源も収録される。

『ネブラスカ’82:エクスパンデッド・エディション』より、元々は『ネブラスカ』と同時期に創作され、レコーディングしていた「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」の未発表ヴァージョンが公開された。ブルース・スプリングスティーンとEストリート・バンドのマックス・ワインバーグ(ドラム)、ゲアリー・タレント(ベース)による非常に珍しいトリオ編成で、1982年4月下旬に録音されたもの。「キーボードを放り出して、基本的にスリーピースでプレイしたんだ」とスプリングスティーンは振り返った。「パンク・ロカビリーみたいな感じだったね。俺たちは『ネブラスカ』をエレクトリックな世界に持ってこようとしたんだ」。

Eストリート・バンドのゲアリー・タレント、マックス・ワインバーグ、ダニー・フェデリーシ、ロイ・ビタン、スティーヴィー・ヴァン・ザントが参加している「エレクトリック・ネブラスカ」に加え、本セットの「ネブラスカ・アウトテイクス」集は、『ネブラスカ』オリジナル盤の自宅録音から「ルージン・カインド」、「チャイルド・ブライド」、「ダウンバウンド・トレイン」を、そして1982年に行われた1回限りのソロ・スタジオ・セッションから「ガン・イン・エヴリ・ホーム」と「オン・ザ・プロウル」といったこれまで全く未発表だった発掘音源を収録。また『ネブラスカ』を史上初めて曲順通りに演奏したアルバム全曲再現ライヴをニュージャージー州のカウント・ベイシー・シアターで収録した2025年最新のパフォーマンスも同梱される。『ネブラスカ』を引っさげたツアーを一切行ったことがなかったスプリングスティーンが、40年以上を経て改めて紐解く貴重な音源と映像(トム・ジムニー監督)となっている。「撮影のためにこれらの曲を再びプレイすることによって、その重みを印象づけられた気がする」とスプリングスティーンは語った。「物語を伝える曲は他にもたくさん書いたけれど、『ネブラスカ』のあの一束の曲には特別な何かがあり、ある種の魔法を持っているんだ。」 

『ネブラスカ』レコーディング・セッションを集大成! 『ネブラスカ』から『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』へ至る
幻のセッションが今明らかに!遂に幻の“エレクトリック・ネブラスカ”がベールを脱ぐ!

1982年発表『ネブラスカ』は、ブルース・スプリングスティーンの数多いアルバムのなかでも、もっとも異色でありながら、古典的傑作のひとつに挙げられる重要作。自宅の寝室で4チャンネルのカセットレコーダー(標準的なカセットテープを使ってマルチトラック録音ができる最初の一般向けの機器、ティアック社のタスカム144)を用いて、弾き語りに最小限の控え目なダビングを加えて録音したローファイな音質のカセットテープをそのままアルバムにしたもので、82年の発表時には、ロックンロール・アルバム『ザ・リバー』の次に続く作品としては驚きの衝撃作と受け止められたが、すぐにその真価を認められ、今では歴史的な名作と高い評価を確立している。以降の世代のソングライターたちに大きな影響力を与え続けるアルバムともなった。その内容は米国社会の片隅で、厳しい暮らしを強いられ、時には強盗や殺人の罪を犯す人びとを主人公にした物語歌集で、ブルースはそんな登場人物の内面に入り込んで歌う。聴くたびにどんどん引き込まれていく不思議な力を持ち、心を強く揺さぶられる作品である。

ブルースを世界的なスーパースターに押し上げる次作のメガ・ヒット・アルバム1984年発表『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』も実はこの『ネブラスカ』と同時期に創作されていた兄弟アルバムで、その制作過程が今作『ネブラスカ’82:エクスパンデッド・エディション』で明らかになる。Eストリート・バンドとともに録音した幻の『エレクトリック・ネブラスカ』や、スタジオで新たにギター弾き語りで録り直すなど、発表までに試行錯誤、様々なセッションが行われていたが、ずっとジーンズのポケットに入れて持ち歩いていた、ケースすら無い1本きりのカセットテープにある特別な何かは取り換えが効かないと思い知らされるだけだった。結局、ブルースはそのカセットをそのまま発表するという結論に達する。それがアルバム『ネブラスカ』となった。
キャリアの自殺行為になりかねないとも考えられた大胆な挑戦、その決断には周囲の誰もが驚いたが、マーシャリズムと芸術の狭間で苦しみ、悩みつつも、ブルースはこだわりを捨てず、アーティストとしての意志・姿勢を貫き通した。結果、全米アルバム・チャート最高位3位、プラチナ・ディスクにも認定される大ヒットを記録する。映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』で描かれる、1982年の『ネブラスカ』物語を音楽で紡ぐドキュメント作品が『ネブラスカ’82:エクスパンデッド・エディション』である。

『ネブラスカ』のレコーディング・セッションを集大成した4CD+1Blu-rayの5枚組ボックスセットには、DISC1にアウトテイク集、DISC2にEストリート・バンドとエレクトリック・バンド・ヴァージョンに挑戦したファン垂涎の『エレクトリック・ネブラスカ』、DISC3に2025年春に行われた『ネブラスカ』全曲再現ライヴ(音源)、DISC4に2025最新リマスター、更にDISC5(Blu-ray)には『ネブラスカ』全曲再現ライヴの映像版を収録。日本盤のこのBlu-rayには日本語対訳字幕付。なぜこの作品が傑作と呼ばれるのか、名盤たる理由を深く知ることができるはずである。

CDよりもやや大きなサイズの特殊仕様豪華パッケージには、未発表写真や長文ライナーノーツ(エリック・フラナガン)含む48Pカラーブックレットが付随。日本版ブックレットにはその完全翻訳&曲目解説含む1万7千字にも及ぶ詳細な日本版ライナーノーツ(五十嵐正)と、対訳&訳者ノート(三浦久)を収録。日本盤のみ高品質BSCD2仕様となる。4LP+Blu-rayのセットは輸入盤でリリース。

『ネブラスカ’82:エクスパンデッド・エディション』のリリース一週間後の10月24日には20世紀スタジオ配給により、スプリングスティーンの『ネブラスカ』誕生に至るまでの創造的かつ個人的な歩みを描いた長編映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』が全米で公開となる(日本では11月14日公開)。スコット・クーパーが監督を務め、ウォーレン・ゼインズの著書『Deliver Me From Nowhere』を自ら映画化したこの作品はジェレミー・アレン・ホワイトがブルース・スプリングスティーン、ジェレミー・ストロングがマネージメントとプロデュースを長年になっているジョン・ランダウを演じており、スティーヴン・グレアム、オデッサ・ヤング、ポール・ウォルター・ハウザー、ギャビー・ホフマン、マーク・マロン、デヴィッド・クラムホルツも出演している。


■4CD+BDパックショット


■4LP+BDパックショット
■ブルース・スプリングスティーン『ネブラスカ’82:エクスパンデッド・エディション』
BRUCE SPRINGSTEEN / NEBRASKA ’82: Expanded Edition
完全生産限定盤 4CD+Blu-ray(5枚組) SICP 31802~6 13,200 (税抜価格12,000)
翻訳/解説:五十嵐正 対訳/訳者ノート:三浦久
(4LP+Bku-rayセットは輸入盤でリリース)

【収録曲】
●DISC1: NEBRASKA OUTTAKES
1. ボーン・イン・ザ・U.S.A.  Born In the U.S.A. - Demo Version – 1982
2. ルージン・カインド Losin’ Kind – Nebraska Outtakes
3. ダウンバウンド・トレイン Downbound Train – Nebraska Outtakes
4. チャイルド・ブライド Child Bride – Nebraska Outtakes
5. ピンク・キャデラック Pink Cadillac – Nebraska Outtakes
6. ザ・ビッグ・ペイバック The Big Payback – Single B-side – 1982
7. ワーキング・オン・ザ・ハイウェイ Working on the Highway – Nebraska Outtakes
8. オン・ザ・プロウル On the Prowl – Nebraska Outtakes
9. ガン・イン・エヴリ・ホーム Gun in Every Home – Nebraska Outtakes

●DISC2: ELECTRIC NEBRASKA
1. ネブラスカ Nebraska – Electric Nebraska
2. アトランティック・シティ Atlantic City – Electric Nebraska
3. マンション・オン・ザ・ヒル Mansion On the Hill – Electric Nebraska
4. ジョニー 99  Johnny 99 – Electric Nebraska
5. ダウンバウンド・トレイン Downbound Train – Electric Nebraska
6. オープン・オール・ナイト Open All Night – Electric Nebraska
7. ボーン・イン・ザ・U.S.A.  Born in the U.S.A. – Electric Nebraska
8. 生きる理由 Reason to Believe – Electric Nebraska

●DISC3: NEBRASKA LIVE
(COUNT BASIE THEATRE, RED BANK, NJ 2025)
1. ネブラスカ Nebraska – Count Basie Theatre, Red Bank, NJ
2. アトランティック・シティ Atlantic City – Count Basie Theatre, Red Bank, NJ
3. マンション・オン・ザ・ヒル Mansion On the Hill – Count Basie Theatre, Red Bank, NJ
4. ジョニー 99 Johnny 99 – Count Basie Theatre, Red Bank, NJ
5. ハイウェイ・パトロールマン Highway Patrolman – Count Basie Theatre, Red Bank, NJ
6. ステイト・トルーパー State Trooper – Count Basie Theatre, Red Bank, NJ
7. ユーズド・カー Used Cars – Count Basie Theatre, Red Bank, NJ
8. オープン・オール・ナイト Open All Night – Count Basie Theatre, Red Bank, NJ
9. 僕の父の家 My Father’s House – Count Basie Theatre, Red Bank, NJ
10. 生きる理由 Reason to Believe – Count Basie Theatre, Red Bank, NJ

●DISC4: 2025 REMASTER
1. ネブラスカ Nebraska
2. アトランティック・シティ Atlantic City
3. マンション・オン・ザ・ヒル Mansion On the Hill
4. ジョニー 99 Johnny 99
5. ハイウェイ・パトロールマン Highway Patrolman
6. ステイト・トルーパー State Trooper
7. ユーズド・カー Used Cars
8. オープン・オール・ナイト Open All Night
9. 僕の父の家 My Father’s House
10. 生きる理由 Reason to Believe

●DISC5(BLU-RAY): NEBRASKA LIVE
(COUNT BASIE THEATRE, RED BANK, NJ 2025)
(*曲目はDISC3参照)
Blu-ray: APPROX.44min./音声:1. リニアPCM/STEREO(48KHz/24bit)/2. Dolby TrueHD5.1ch(48KHz/24bit)/3. Dolby Atmos(48KHz/24bit)/日本語対訳字幕付