
Carmine Appice and John Bonham
ヴァニラ・ファッジ(Vanilla Fudge)や
ベック・ボガート&アピス(Beck, Bogert and Appice)などで活躍したドラマーの
カーマイン・アピス(Carmine Appice)は、多くのドラマーたちに影響を与えてきました。MusicRadarの新しいインタビューの中で、
ジョン・ボーナム(John Bonham)、
アレックス・ヴァン・ヘイレン(Alex van Halen)、
トミー・リー(Tommy Lee)に与えた影響について、そしてなぜ自分が「もっと評価されるべきなのか」について語っています。
アピスは、70年代初頭には自分がボーナムに影響を与えたことに気づいていましたが、当時は反発を恐れてそれについて話すことはなかったと語っています。
「当時から気づいていたけど、長い間、それを口にすることはできなかった。わかるだろ? そんなこと言ったら、みんな俺のことをエゴの塊だと思ったはずだからね!
その後、ジョンがコージー・パウエルに俺のことを絶賛していたっていう話が載っている本がいくつか出た。だから、間違いなく何らかの影響があったんだよ。
彼には他にも影響を受けた人がいた。ジーン・クルーパ、バディ・リッチ、マックス・ローチとかから、俺と同じような影響を受けていた。でも、俺が知る限りでは、彼がロックから影響を受けたのは、俺が登場してからだった。
ジョン・ボーナムはレッド・ツェッペリンのおかげで最も有名なロック・ドラマーの一人になった。俺はロック史における自分の立ち位置はわかっている。自分が何を始めたかも、誰が俺の音楽を聴いてくれたのかも、わかっている。俺にはわかるのさ。
(ボーナムとパフォーマンスの類似点について話したことは一度もないという)
彼(ボーナム)とは話したことはないけど、あいつは分かってたよ(笑)。間違いなく気づいてたはずだ。(ヴァニラ・ファッジ)“Shotgun”の最後と(レッド・ツェッペリン)“Rock And Roll”の最後を聴けば分かるけど、ほとんど同じなんだよ。彼は俺のフレーズを演奏している。クールなことだよ。だって、俺にそんなことが起きたのはこれが初めてじゃなかったからね。
実は(ジョン・ボーナムの息子)ジェイソン・ボーナムがレッド・ツェッペリンの曲をいくつかやるっていうから観に行ったんだ。アイアン・メイデンのニコ・マクブレインと一緒にね。ライヴの後、集まって話していると、ジェイソンが笑いながらこう言ったんだ。“今夜、カーマインのフレーズをいくつやったと思う?”って。俺は“知らんよ、数えてない”って答えた。そしたらニコが“俺、数えたぞ! 9つだ!”って言ったんだ。
俺がオジー(オズボーン)とツアーしてたとき、サポートがモトリー・クルーで、トミー・リーは、俺と同じようにスティックを回してシンバルを叩いて、それを掴んでた。ジョン・ボーナムが現れるまでは、そんなことをしたの俺だけだった。だからトミー・リーに聞いたんだよ、“その動きをどこで覚えたんだ?”って。そしたら彼は“ジョン・ボーナムからだよ”って言うから、俺が“じゃあ間接的には俺からってことだな”と言ったら彼は“いやいや、ジョン・ボーナムからだって”と返したので、俺は“じゃあツアー終わったら俺の家に来い。ビデオを見せてやるから…”って言ったんだよ。
それで彼に見せたんだ。彼に(ヴァニラ・ファッジ出演の)『エド・サリヴァン・ショー』の映像を2本見せた。彼はびっくりしてた。“うわ、マジかよ!信じられない。ジョン・ボーナムは君から学んだんだね”と言ったから、俺は“だから言ったろ”と返した。あのエド・サリヴァンの映像はツェッペリンが結成される前のものだったんだよ。
(まだある。ヴァン・ヘイレンの“Hot For Teacher”はカクタスの“Parchment Farm”のイントロに似たイントロがある)
アレックス・ヴァン・ヘイレンが“Parchment Farm”を聴いて、あの曲のイントロが気に入ったと言ってたんだ。これも明らかな影響だよ。本当に数えきれないほどあるんだ。
(アピスはこうしたことに対して恨みはないという)
ネットには本当にくだらないことがたくさんある。“俺が最も嫌いなドラマー5人”なんて記事を見たけど、まったく馬鹿げてるよ!
ジョン・ボーナムが俺のスタイルを盗んだから、俺が彼のことを嫌っているって言う人もいる。はあ? 俺は誰も嫌ってなんかいない! 俺は今もここにいて全部楽しんでる。
もっと評価されてもいいとは思う。彼(ボーナム)は最高のバンドにいたから、評価も大きいんだ。ほら、リンゴ(スター)だってあんなに評価されてるじゃないか!
でも、実際のところ、俺は十分な評価はもらってる。俺のドラム本は50万部売れたし、音楽業界で誰よりも先にロック・クリニックをやったのも俺だ。
とはいえ、どう言えばいいかな。ジョン・ボーナムほど評価されていないかもしれないけど、自分が何をやってきたかは俺が一番知ってるし、多くの人も知っている。俺は俺の場所にいる、それでいいんだ」