リンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt)がアルバム『Prisoner in Disguise(邦題:哀しみのプリズナー)』を1975年にリリースから50年。ロンシュタットは50周年を祝した手紙を米ビルボード誌に寄稿しています。同作はMobile Fidelity Sound Labから、オリジナルのアナログ・マスターテープからマスタリングされた180グラム重量盤/45回転の2枚組LPレコードが発売されます。
以下、手紙より。
「私の6枚目のソロアルバム『Prisoner in Disguise』がリリースされてから、もう50年経ったなんて、とても信じられません。この半世紀を振り返ると、記憶に鮮明に残っていることがいくつかあります。
友人のニール・ヤングからデモが届いた時は本当にうれしくて、なかでも“Love is a Rose”にすぐ心を奪われました。この曲はアルバムのオープニングトラックになりました。他にも、ジェイムス・テイラー、ドリー・パートン、ジミー・クリフ、ローウェル・ジョージ、アンナ・マクギャリグル、そしてモータウンのトリオ、ホーランド=ドジャー=ホーランドなど、偉大なソングライターたちが素晴らしい曲を提供してくれて、歌うのが待ちきれませんでした。親友のエミルー・ハリスも参加してくれて、カントリーの名曲“The Sweetest Gift”でデュエットしました。
“Tracks of My Tears”を初めて聴いた時、スモーキー・ロビンソンの素晴らしい歌声に心を奪われました。私はソプラノですが、スモーキーは美しくてソプラノのような声を持ち、私のキーで歌っているので、ラジオで彼に合わせて簡単に一緒に歌えました。これがきっかけで、私はその曲を録音したいと思うようになりました。その4年前、ドン・ヘンリーとグレン・フライが初めて私のバンドに参加したとき、私たちはディズニーランドで、ステイプル・シンガーズやスモーキー&ザ・ミラクルズと同じ日に出演しました。公演の合間には、時間をつぶすために皆で楽屋でポーカーをしましたが、私は積極的なカード・プレイヤーだったグレンに、スモーキーに勝たないようにと釘を刺しました。というのも、私はスモーキーに恋をしており、もし私のギタリストが彼からお金を取りすぎたら、私のことを嫌いになるんじゃないかと心配だったからです。