長らく失われていた
ジョン・レノン(John Lennon)のインタビューが50年ぶりに見つかりました。米国政府が自分の電話を盗聴しているのではないかと懸念を語っているインタビューで、ジョンの誕生日の前夜の10月8日に英Boom Radioの特別番組で放送されます。英ガーディアン紙はその抜粋を紹介しています。
50年前にこのインタビューを担当したラジオDJのニッキー・ホーンは当時24歳。ロンドンのキャピタル・ラジオで頭角を現していたDJで、ニューヨークのダコタ・ハウスに招かれ、幅広いインタビューを行いました。
インタビューの一部は1975年にキャピタル・ラジオで放送されましたが、以降、テープは長らく所在不明でした。しかし、ホーンは最近、自宅の地下室にあった、ほこりをかぶった箱の中からオリジナルのオープンリールのテープを見つけました。
インタビューの中でジョンは反戦活動をめぐって自分が米国政府に監視されていたという疑念について語っています。
「受話器を取ったとき、普通の場合と、毎回たくさんの雑音が入る場合がある。その違いは分かっている。(政府当局は)とにかく僕を狙っていた。連中は僕に嫌がらせしていた。ドアを開けると、通りの向こう側にやつらが立っている。車に乗れば、やつらは隠れることなく車で追いかけてきた」
ジョンは当時、盗聴を証明することはできなかったものの、「(ダコタ・ハウスの)地下室では修理がやたらと行われていたことは知っているよ」と語っています。
ジョンはまた、米国政府が懸念していたロックスターは自分だけではなかったとも言っています。
「ミック(ジャガー)はマンホールに潜り込んで、キース(リチャーズ)や他のメンバーをツアーに招き入れる必要があった。つまり、彼らを入国させるためだけに裏で多くの調整をしたってことさ。僕たち全員に問題があった。僕はただ、ここに留まりたかっただけなんだよ」
また、ジョンは1974年のソロ・アルバム『心の壁、愛の橋(原題: Walls and Bridges)』について、当初はスタジオテープを「聴くに耐えなかった」と語り、「捨ててしまおうか」とも考えたという、その後、友人たちに聴かせると「悪くないじゃないか」と言われ、「じゃあ、いいか。全然悪くない。自分でも結構気に入ってる曲がいくつかあるし。よし、出そう」と思い直したという。
ジョンはまた、自分の最高の音楽はまだこれからだとも語り、「天災など特別な事情がなければ、あと60年は生き、倒れるまで音楽活動を続けるだろう」とも語っています。