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マイケル・ジャクソンのツアーギタリストを10年間務めたジェニファー・バトゥン 永遠に脳裏に焼き付いている光景とは?

2025/10/07 17:32掲載
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michael jackson and jennifer batten
michael jackson and jennifer batten
ジェフ・ベックのツアーにも参加したギタリストのジェニファー・バトゥン(Jennifer Batten)にとっての転機は、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)のツアーギタリストを獲得した時でした。彼女はこの地位を10年間守り抜きました。The Sessions Panelの新しいインタビューの中で、マイケルとの仕事を掴んだ経緯を振り返っています。

「私が(ロサンゼルスに)引っ越してきたのが1984年で、マイケル・ジャクソンのオーディションの連絡をもらったのは1987年だった。彼のスタッフの一人がミュージシャンズ・インスティテュートに電話をかけてきたのよ。当時私はそこで教えていた。彼らは電話で“2人のプレイヤーを送ってほしい”と言って、私はオーディションを受けることができた幸運な一人だった。

私は、どの曲を覚えればいいのか、いつまでに行けばいいのかを尋ねた。そうすれば、家でギリギリまで曲を頭の中に叩き込むことができるから。カセットよりもはっきり聴けるから、初めてCDプレーヤーも買いました。

(オーディションに行ってみると、バンドがいないことに驚いたという。そこには彼女とビデオカメラだけがあった)

言われたのは、ステージの大半はファンキーなリズムになるということだけ。だから少し即興で弾いてから、ソロを始めたのよ。ジャクソンの仕事を得た頃には、ファースト・アルバムのためにマイケル・センベロと3本のデモを作っていて、その過程で(ジョン・コルトレーンの)“Giant Steps”のタッピングも練習していた。最後に“Beat It”のソロを弾いてオーディションを終えました。

(ほどなくして、バトゥンは待ち望んでいた電話を受けました)

電話の内容は“マイケルが興味を持ってる。バンドとリハーサルするために来てくれないか?1年間休めるか?”だった。私は“どこへでも、どれだけの期間でも行きます”と言いました。それで現場に行って、毎日毎日毎日、演奏して、本当に必死で働きました。

(最初のうちは、バトゥンとマイケルのバンドメンバーはマイケル抜きで1か月を過ごしました。その時間の多くはサウンドの微調整に費やされたという)

彼らにはプログラマーがいて、アルバム(『Bad』)に収録されているすべてのサウンドを全部再現しようとしていた。あの曲たちはものすごく人気があったから、スネアのEQだってみんなの頭に染みついてる。だからサウンド作りには相当な労力が注がれたのよ。

マイケルに会うまで、1か月リハーサルをしたんだけど、その間ずっと、ほかの仕事は全部断って、誰にも(マイケルのことは)言わなかった。だって“マイケル・ジャクソンの仕事が決まった”と言っておいて、それが実現しなかったら、どれだけ最悪かって思って。

(一ヶ月後、バンドは“もしマイケルが音楽に満足したら、たぶん踊り始めるよ”と聞かされていました)

彼は入ってくるなりすぐに踊り始めた。その光景は永遠に脳裏に焼き付いている……彼を紹介してもらったときのことも覚えている、とにかく……とても魔法のような、圧倒的で輝くようなエネルギーだと感じました。

(毎晩、何千人もの観客の前で演奏するのはどんな感じだったのか)

いつだって非現実的だった。特に最後のツアー(HIStory World Tour)では、あの革製のマスクを付けていたから、まるで舞台作品に出ているみたいだった。クレイジーな衣装を着たのは初めてで、そのうえ髪型も思い切り変えられた。あらゆる意味で、完全に生まれ変わった感じだった。

(マイケル時代は、超人的な仕事倫理を身につけるために重要だったという)

私が皆に伝えている教訓の一つは、あの頃、“リハーサルしすぎ”と感じたことが一度もなかったってこと。いつだって“もう少し時間があれば、もっと良くできたのに”って思ってたのよ!」