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ラッシュ、新ドラマーにアニカ・ニールスを選んだ経緯を明かす

2025/10/07 08:58掲載(Last Update:2025/10/07 11:09)
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Anika Nilles - Hans Lucas, Getty Images
Anika Nilles - Hans Lucas, Getty Images
ラッシュ(Rush)は、新ドラマーにドイツ人の女性ドラマー、アニカ・ニールス(アニカ・ニルス/Anika Nilles)を迎えて11年ぶりのツアーを2026年6月に北米で開催することを発表しました(詳しくはこちら)。ゲディー・リー(Geddy Lee)は新しいインタビューの中で、ニールスを選んだ経緯を明かしています。

リーは実は2年前の2023年、英ガーディアン紙のインタビューの中で、読者から「もう二度とニール・パートのような人は現れないでしょうが、今のドラマーで本当に評価しているのは誰ですか?」という質問の中で、すでに彼女の名前を挙げていました。

「たくさんいるよ。今は素晴らしいドラマーに恵まれた時代だ。(トゥールのドラマー)ダニー・ケアリーのプレイが大好きだし、(レッド・ホット・チリ・ペッパーズの)チャド・スミスも大好きだよ。ニールとはまったくタイプが違うけど、彼には圧倒的なパワーがある。この前、アニカ・ニールスというドラマーを聴いた。ジェフ・ベックの最後のツアーで演奏していて、本当に素晴らしかったよ」

米国時間10月5日夜、クリーブランドにあるロックの殿堂ミュージアムで開催された記者会見で、リーはニールスがラッシュの新ドラマーとなった経緯を明かしています。

「僕のベース・テックのスカリーは、ジェフ・ベックと仕事をしていて、ツアーに出てたんだ。ジェフが亡くなる前(悲しいよ)、彼は数年間、ジェフのツアーに同行していて、最後のツアーではアニカ・ニールスというドラマーと一緒だった。彼女は本当にすごいドラマーで、スカリーは家に帰ってくるたびに彼女のことを絶賛してたんだ。“なんて素晴らしいプレイヤーなんだ、人柄も最高で…”ってね。

それでちょっと彼女のことを調べてみたら、YouTubeにたくさん動画があった。彼女は彼女自身の音楽の世界ではかなり知られている人なんだ。それから僕たちはまた演奏しようって話になったときに、僕は“彼女をチェックしてみてよ。結構おもしろい方向性になるかもしれない”って言ったんだ。そうして物事が次から次へと進んで、最終的に、実際にやってみて、うまくいくか試してみようとなったんだ。

ドラマーが誰であろうと、ラッシュの曲を演奏する感覚は人それぞれの解釈があるから、僕たちの演奏スタイルと一致しないこともある。だから、誰を選ぶにしても難しい問題で、ある種の“翻訳”みたいな作業が必要になるんだ。だから僕たちは極秘にアニカをカナダに呼んだ。あれはオーディションじゃなかった。というのも、その段階では本当にツアーをやるのかどうか、まだ確信が持てなかったから。すべては実験だったんだ。

とても嬉しいことに、彼女と一緒にプレイするのは素晴らしい体験だった。これまで彼女とは何回もセッションをしてきたし、これから彼女と一緒にツアーに出るつもりだよ。彼女は本当に特別な存在だと思う。しかも、僕らよりずっと若い。信じがたいかもしれないけれど、彼女がラッシュの音楽に先入観なしで入ってきたのは、僕はいいことだと思っている。その一方で、ニュアンスを説明して細部に取り組む必要があって、彼女はニールの思考回路や感覚を真に理解しようと努めなければならなかったから、とても大変でもあった。

ニールのドラムフィルを演奏できるドラマーはたくさんいる。でも、それを曲の雰囲気と融合させて、みんなが聴きたいと思える感じに仕上げるのは大変だ。大変な努力が必要なんだ。彼女はそれを成し遂げているよ」

■アニカ・ニールス プレス動画





■ラッシュ インタビュー動画