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マーティ・フリードマン、ギターテクニックに過度に集中しすぎることの落とし穴について語り、独自のスタイルを確立することの重要性を説明

2025/09/30 18:12掲載
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Marty Friedman
Marty Friedman
マーティ・フリードマン(Marty Friedman)は9月23日にトルコ・イスタンブールで開催したギタークリニックの中で、ギターテクニックに過度に集中しすぎることの落とし穴について自身の考えを語り、独自のサウンドとスタイルを確立することの重要性について説明しています。

「ギタリストとして、ギターが本当に上手い人を見て“ああいうふうに弾きたい”と思うのは簡単だ。ただ上達すればいい、ギターが上手くなればいい。でも問題なのは、そこに没頭しすぎると、自分自身のアイデンティティを見失い始めること。ただギターが上手くなるためのことを学んでいるだけだからね。

僕みたいな、音で誰だか分かるようなギタリストは、世の中のあらゆることを片っ端から学ぼうとはしないんだ。

多くのギタリストは、特に若いうちは“全てを知らなきゃ。この人みたいに、あの人みたいに、この人みたいに、全部弾けるようにならなきゃ”と考えがちだ。すごく気が重くなる。

僕にとって大事なのは、自分が学びたいと思っていることに対して、正直でいること。時間を無駄にしたくない。たとえば、エリック・ジョンソン。素晴らしい、信じられないギタリストだけど、僕は絶対にあんな風に弾けない。だから彼のプレイを学ぼうとはしない。僕にはもっと興味のあることがあるからね。彼が素晴らしいプレイヤーだってことは分かっているし、尊敬もしている。でも、だからといって僕の音楽性の一部になるとは限らないんだ。

自分自身に対して、とても正直でなければならない。人それぞれの好みや人生経験があるからね。“ああ、これ大好き。これを学ばなきゃ”なんだよ。それが優れているからじゃなくて、自分にとって意味があるから、そういうものこそ学ぶべきなんだ。自分の好みに正直でいることはとても大切だよ。

多くの人は“アル・ディ・メオラみたいに弾かなきゃ。だって彼はすごく上手いし、自分も上手くなりたいから”と考えがちだ。でも違う。僕は一生かけても彼のようには弾けない。テクニックは素晴らしいけど、それは彼の人生経験の賜物なんだ。君の経験は違う。君は違う、違う、違うんだ。だから全てを学ばなきゃって思わなくていいんだ、そう思えば楽になる。でも、君が本当に愛するものをしっかり学び、きちんと身につける責任はあるんだ」