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英ブリストル コンサートチケットに1%課税へ その資金で会場や出演者などを支援して地元の草の根音楽シーンを支える

2025/09/24 19:08掲載(Last Update:2025/09/24 19:09)
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Independent Music Venues
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マッシヴ・アタック、ポーティスヘッド、ザ・ポップ・グループ、ロバート・ワイアット、ニック・カーショウなどを輩出してきた英国の港湾都市ブリストルでは、小規模のコンサート会場で演奏する地元ミュージシャンらの草の根音楽シーンを支援するため、ブリストルで開催されるコンサートのチケットに新たな1%課税を適用し、その課税分の資金を会場や出演者などを支援するために使うことを計画しています。

英BBCによると、現在、ブリストル市議会で審議中だというこの課税は、ブリストルで開催されるすべてのコンサート(規模の大小は関係なく)のチケットに、客が負担する追加料金を上乗せするというものです。課税分は中央基金に集められ、年間40万~100万ポンド(約8千万円~約2億円)を生み出す見込みです。

同市の経済・技能政策委員会の議員たちは9月22日に準備作業の開始を承認しました。これにより、新しいコミュニティ・ベネフィット・ソサエティが設立され、「ブリストル・ミュージック・ファンド」を管理することになります。

この基金は、会場の防音や交通の便の改善、平日のイベント開催、業界で働くスタッフのスキルアップやトレーニング、出演者へのより良い報酬など、さまざまな費用に充てられる計画です。

コンサート会場は税を徴収するかどうかを選択することができ、会場が税を徴収する場合、客は1%の追加料金を支払わなければなりません。

500人のコンサート参加者を対象にした最近の調査では、ほとんどの人がコンサートチケットに1%の追加料金を支払うことを支持していることが分かりました。

BBCによると、ブリストルでは、イベントの78%が収容人数1,000人以下の会場で行われています。

同市議会の夜間経済アドバイザー、カーリー・ヒースによると、市内のコンサート会場の大部分は「草の根」レベルであるものの、金額では市全体の年間チケット収入のわずか32%に留まるという。「素晴らしい音楽シーンを作り出し、ブリストルの評判を支える大部分の仕事を担っているにもかかわらず、市が生み出す収益のごく一部しか受け取っていないという格差があることは明白です」と語っています。

英国では昨年、草の根音楽シーンを支える小規模のコンサート会場の16%が、コストの上昇などのため閉鎖されました。