
Tomas Lindberg of At The Gates, photo by Olly Curtis/Total Guitar Magazine/Future via Getty Images
スウェーデンのメロディックデスメタルバンド、
アット・ザ・ゲイツ(At The Gates)の創設メンバーであるヴォーカリストの
トーマス・リンドバーグ(Tomas Lindberg)が死去。地元のメディアSVT Nyheterがリンドバーグの家族に彼が9月16日に亡くなったことを確認しています。52歳でした。
リンドバーグは2023年12月、唾液腺などの分泌腺から発生する希少な悪性腫瘍である「腺様嚢胞癌」と診断されました。その後、口蓋の大部分を切除する手術と放射線治療を受けましたが、2025年初頭に、手術や放射線治療では届かない部位に癌が確認されました。
リンドバーグが「腺様嚢胞癌」と診断されたことは長年公表されず、2025年8月にアット・ザ・ゲイツのSNSアカウントで闘病生活を送っていることを明らかにしました。彼は声明の中で「非常に厳しい1年だった」と認め、「癌を抑制するため何らかの化学療法を受ける必要があるかもしれない」と述べていました。
リンドバーグは1990年、ドラマーのエイドリアン・アーランドソン、ギタリストのアンダース・ビョーラー、アルフ・スヴェンソンと共にアット・ザ・ゲイツを結成。1991年にデモ『Gardens of Grief』を発表後、1992年にデビュー・アルバム『The Red in the Sky Is Ours』をリリース。スウェーデン・デスメタルにプログレッシブでメロディックな解釈を加えた本作は高い評価を得た。
アット・ザ・ゲイツはその後、1995年の『Slaughter Of The Soul』を含む計7枚のフルアルバムをリリースした。『Slaughter Of The Soul』はアット・ザ・ゲイツの国際的なブレイクとなり、批評家たちは、そのジャンルのハイブリッド性と強烈さ、そしてリンドバーグの独特で苦悶に満ちたような歌声を称賛した。このアルバムはニュー・ウェイヴ・オブ・アメリカン・ヘヴィメタルの重要なインスピレーション源となり、キルスウィッチ・エンゲイジ、トリヴィアム、シャドウズ・フォールといった同ムーブメントの主要アーティストがその影響を認めている。
しかし、ライヴ・ツアーの疲れから、アンダース・ビョーラーが脱退の意向を示し、アット・ザ・ゲイツは1996年に解散した。
アット・ザ・ゲイツ解散後、リンドバーグは複数のバンドやグループに参加。アット・ザ・ゲイツは2007年に再結成し、さらに3枚のアルバムをリリースした。
リンドバーグは次回のアルバムに向けてヴォーカルを録音した後、亡くなった。
音楽以外では、リンドバーグは教育者としても活動し、社会科の教師を務めていた。