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「恋の終列車」「モンキーズのテーマ」など モンキーズのヒット曲の共作者ボビー・ハート死去

2025/09/15 18:41掲載
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Micky Dolenz and Davy Jones of the Monkees with Tommy Boyce and Bobby Hart in 1975. Photograph: Chris Walter/WireImage
Micky Dolenz and Davy Jones of the Monkees with Tommy Boyce and Bobby Hart in 1975. Photograph: Chris Walter/WireImage
「恋の終列車(原題: Last Train to Clarksville)」「モンキーズのテーマ」「(I'm Not Your) Steppin' Stone」など、モンキーズ(The Monkees)のヒット曲をトミー・ボイスと組んで生み出したソングライター/プロデューサーのボビー・ハートが死去。86歳でした。

友人であり共著者のグレン・バランタインによると、ハートはロサンゼルスの自宅で亡くなりました。昨年、股関節を骨折して以降、体調が優れなかったという。妻のメアリーアンさんは、夫が長い闘病の末に亡くなったと語っています。

ボビー・ハートことロバート・ルーク・ハーシュマはアリゾナ州フェニックス生まれ。牧師の息子だった。自伝によると、彼は「目立ちたいという強い欲求」を持つ内気な少年だったという。音楽がその答えだった。1950年代後半にロサンゼルスに定住。当初はディスクジョッキーを目指したが、すぐにソングライター兼セッションミュージシャンとして活動を開始した。1960年のシングル「Girl in the Window」でソロアーティストとして短期間キャリアをスタートさせた。

同じ頃、バージニア州シャーロッツビル出身のシンガーソングライター、トミー・ボイスとも親交を深めた。ボイスとハートは、ジェイ&ジ・アメリカンズのためにトップ10ヒット曲「もっと寄りそって(Come A Little Bit Closer)」の共作を手掛け、その強力なコンビネーションが評価され、プロデューサーのドン・カーシュナーにスカウトされ、モンキーズの担当に任命された。

モンキーズは、 ビートルズに対抗するアメリカのグループとして、オーディションにより結成され、テレビ番組とレコード販売を連動するという当時としては珍しいメディアミックス戦略をとったグループだった。

ボイス&ハートは、ビートルズをモデルにした楽曲を作るよう依頼され、2人はビートルズの「Paperback Writer」にインスパイアされて作られたという「恋の終列車(原題: Last Train to Clarksville)」を書いた。この曲は1966年に全米1位を獲得した。

ボイス&ハートは、同9月に放送が開始された『ザ・モンキーズ(ザ・モンキーズ・ショー)』の主題歌「モンキーズのテーマ」の作詞・作曲も担当した。またモンキーズのデビューアルバム『恋の終列車(原題:The Monkees)』にはボイス&ハートの楽曲が6曲収録されており、彼らはプロデューサーも務め、自身のバックバンド、キャンディ・ストア・プロフェッツをセッションミュージシャンとして起用した。このアルバムは、テレビとの相乗効果により500万枚を売上げるヒットとなった。

モンキーズが自身の作品制作への主導権を強めるにつれ、ボイス&ハートはデュオとしての活動に注力。3枚のアルバムをリリースし、シングル「I Wonder What She's Doing Tonight」はヒットしたが、セールス的には満足できない結果に終わった。ボイス&ハートはまた、『奥さまは魔女』などのシチュエーション・コメディにも出演した。

デュオとしての活動は1960年代末までに終了したが、1970年代半ばに元モンキーズのメンバーであるミッキー・ドレンツとデイビー・ジョーンズと共に「ドレンツ、ジョーンズ、ボイス&ハート」を結成した。チャートで大きな成功を収めることはなく、このコラボレーションは1976年のスタジオアルバム1枚のみで終了した。

トミー・ボイスは1994年に55歳で亡くなっている。