ロラパルーザのような大型フェスティバルは長年にわたり象徴的なロック・アクトをヘッドライナーに迎えてきましたが、近年はラッパーやポップスターへの移行が進んでいます。なぜロックから目を背けるようになったのか?
ソニック・ユース(Sonic Youth)での活躍でも知られる
サーストン・ムーア(Thurston Moore)は米ローリング・ストーン誌の新しいインタビューの中で、社会がもはやロック音楽に関心を失ったからだと主張しています。
「(背景にあるのは)ダンサーや照明、映像、舞台装置など、プロダクションに囲まれた単独のポップスターの台頭だ。ある意味ディズニー化されたんだ。ディズニーランドがそうであるように、大衆の反応を受けて、ああなったんだよ」
ムーアは、現在のフェスティバルが「レッド・ツェッペリンやパール・ジャムを観に行くようなコアなロックンロール層」と、「ロック音楽にはあまり興味がないが、より広い意味でのエンターテインメントには関心がある人々」の両方に対応する、より多様な内容になっていることを指摘しています。
「標準的なロックバンドの層よりも幅広い層にアピールしている。ロックバンドはまだ存在するが、彼らはロラパルーザ向けに演奏しているわけではないからね。(また、現在ロックバンドは)かつてのようなサクセスストーリーはないしね」
今は大衆はポップを愛していますが、ムーアはそれは必ずしも悪いことではないと話しています。
「僕はミュージシャンたちは皆、完全に信頼できる存在だと思っている。オリビア・ロドリゴやチャペル・ローンは素晴らしいアーティストだ。ラナ・デル・レイのライヴを見に行ったんだけど、すごく良かったよ! ただの安っぽい娯楽じゃない。彼女たちに幸あれ」
しかしムーアは、揺れ戻しが起きると確信しています。今はハイプロダクションのポップが流行っていますが、観客はすぐにもっと生々しくオーガニックなものを求めるようになると主張しています。そしてもちろん、アンダーグラウンドのシーンも健在です。
「実験的なロック音楽やパンク文化から生まれたあらゆるものに興味を持つ若者の層は依然として存在する。オリビア・ロドリゴほどの規模ではないが…僕は、そうした点で控えめな存在であることの方がずっとクールだと思ってきた」
アンダーグラウンドのシーンは大きなステージで称賛されることは少ないかもしれませんが、彼は時に小規模な成功こそがロックンロールに最も適していると指摘しています。
「ロックンロールの大規模なビジネスは、ニルヴァーナのカート・コバーンのような人にとっては葛藤を生んだ。彼は自分なりにそれに対処したが、結局は自分なりの方法では対処できなかったんだよ」