
Rick Davies (Photo by Ed Perlstein/Redferns/Getty Images)
スーパートランプ(Supertramp)の創設メンバーで、フロントマン、キーボード奏者、メインソングライターのひとりだった
リック・デイヴィス(Rick Davies)が死去。スーパートランプがSNSで発表。81歳でした。
以下、スーパートランプの声明より
「スーパートランプの創設者、リードシンガー、ソングライターであるリック・デイヴィスが10年以上にわたり多発性骨髄腫と闘った末、9月6日土曜日に81歳で亡くなりました。
1944年にイングランドのスウィンドンで生まれたリックは、幼少期にジーン・クルーパの“Drummin’ Man”を聴いたことから音楽への愛情が芽生え、ジャズ、ブルース、ロックンロールへの生涯にわたる情熱へと発展しました。パートナーのロジャー・ホジソンと共に楽曲を共作し、スーパートランプの最も象徴的な楽曲の数々でヴォーカルとピアノを担当し、ロック音楽史に消えることのない足跡を残しました。彼の魂のこもった歌声と、ウーリッツァー・ピアノの独特なタッチは、バンドのサウンドの心臓部となりました。
ステージを離れても、リックは温かさ、不屈の精神、そして50年以上にわたり共に歩んだ妻スーへの献身で知られていました。深刻な健康問題に直面し、スーパートランプとしてのツアーを続けられなくなった後も、故郷の仲間たちと“リッキー・アンド・ザ・ロケッツ”として演奏を楽しみました。
リックの音楽とレガシーは多くの人々に今もなおインスピレーションを与え続け、素晴らしい楽曲は決して死なず、生き続けるという事実を証明しています」
リック・デイヴィスは幼少期から音楽に没頭し、ドラマーとして、後にキーボーディストとして活動した。初期のバンドRick’s Bluesでは、後に「Alone Again, Naturally」を歌うギルバート・オサリバンがドラマーを務めていた。数々のバンドを経て1969年、新バンド結成を決意した彼は、メンバー募集の広告を出し、それに応じたロジャー・ホジソンらと共にバンドを結成。バンドは当初、Daddyという名前だったが、1970年1月にスーパートランプに改名した。
A&Mレコードと契約したバンドはアルバムを重ねるごとに人気を博し、デイヴィス作のシングル「Bloody Well Right」を収録した『Crime of the Century』でブレイクを果たす。その後も成功と知名度は上昇を続け、1977年の『Even in the Quietest Moments...』(ホジソン作のヒット曲「Give a Little Bit」収録)を経て、1979年春にリリースされた『Breakfast in America』で爆発的な成功を収めた。
『Breakfast in America』からのシングル曲であるバンド最大のヒット曲「The Logical Song」はホジソンが書き歌った曲であるもののの、デイヴィスの際立つエレクトリックピアノが曲の核となっていた。彼の楽曲「Goodbye Stranger」はアルバムの2番目のヒットシングルとなった。
1983年、創作上の意見の相違から始まり、楽曲の著作権使用料(ロイヤルティ)などの問題に発展した様々な争いなどからホジソンがバンドを脱退した。デイヴィスはその後もバンドを継続し、2002年の『Slow Motion』まで計4枚のアルバムをリリースした。2022年まで活動を続けたが、その際はしばしば「リッキー・アンド・ザ・ロケッツ」名義で活動していた。
デイヴィスは2015年に多発性骨髄腫と診断された。