サイモン＆ガーファンクル『明日に架ける橋』発売55周年記念　日本盤として初の7インチ紙ジャケットSACDハイブリッド・エディション発売

1970年1月にリリースした通算５作目にして最後のオリジナル・アルバム。全米チャートで10週連続1位を記録し、全英13週連続No.1、日本でも7週連続でNo.1獲得するなど、世界各国でもナンバー・ワンを獲得した大ヒット作品。表題曲の「明日に架ける橋」でもシングル・チャートで6週間1位を記録。それ以外でも、「ボクサー」、「いとしのセシリア」、ロス・インカスの演奏に歌を乗せた「コンドルは飛んで行く」など、名曲を揃い。グラミー賞では最優秀アルバム賞を始め、6部門を受賞。全世界2500万枚、日本でも100万枚以上の売上を誇る、名実ともに彼らの代表作であるとともに音楽史上に残る不朽の名盤。本作を最後に、サイモン&ガーファンクルは活動をと凍結することになった。

全米では1970年1月、日本では少し遅れて同年4月にリリースされた。前作『ブックエンド』からおよそ2年ぶり、待望の新作アルバムだったこともあり、リリース直後から多くの国のヒットチャートで1位を獲得。全米アルバム・チャートでは10週、全英チャートに至っては断続的にではあるが合計33週にわたって1位に輝く超ヒットを記録している。前述した第13回グラミー賞でも最優秀アルバム賞と最優秀録音賞を受賞。シングル・カットされた表題曲と合わせて計6部門を征することとなった。　が、悲しいことに、本作は彼らにとって最後のオリジナル・アルバムとなってしまった。活動の方向性を巡って何かとぶつかることも多くなっていた二人は、本作を最後にデュオを解消。その後、何度かの再結成を挟みながらも、それぞれソロ・アーティストとしての道を歩み続けている。サイモンはレコーディングの間じゅう、これが彼ら二人にとっての総決算的なアルバムになると意識しながら作業を続けていたのだとか。が、そうした解決しようのない緊張感がいい方向に機能し、全体の音像を見事に引き締まった、充実したものにしているようにも思える。溢れんばかりに湧き上がるサイモンのアイデアを余さず記録するには当時通常のレコーディング・セッションで使用されていた8トラックのマルチ・レコーダーだけでは足りず、長年タッグを組んできたエンジニアのロイ・ハリーは8トラックを2台連結。16トラックへとグレードアップして対処した。そんな意欲的な名盤を2chのCD層と2chのSACD層（DSDマスター）のハイブリッド仕様にしたのが本盤だ。SACD層は今回の日本盤用に新たにリマスタリングを施している。過去何度も再発されてきた1枚ながら、今回は日本独自に7インチ紙ジャケ仕様でのリリース。古くからのファンの方にとってもきっと新鮮に楽しめる仕上がりだろう。　　 --- 能地祐子　(ライナーノーツより一部抜粋)