
Iron Maiden / The X Factor
アイアン・メイデン(Iron Maiden)が、ブレイズ・ベイリーがヴォーカル時代に発表した2枚のスタジオ・アルバム、『The X Factor』と『Virtual XI』。商業的にも批評的にも不評だったこの2枚について、バンドの創設者
スティーヴ・ハリス(Steve Harris)は現在、どう思っているのか? 英Metal Hammer誌の新しいインタビューの中で語っています。
「当時もそう言ったし、今でもそう信じている。あの2枚のアルバムは本当に力強くパワフルな作品だ。後々評価されるだろう。実際、今まさにあの2枚を再発見し、その良さに気づき始めている人もいる。
特に『The X Factor』は本当に良いアルバムだ。ただ暗い作品でもある。おそらく、ブルース(ディッキンソン)が脱退し、僕自身も離婚を経験するなど、当時はいろいろなことが重なって少し暗い気持ちになっていた。でもそこから生まれたのはパワフルなアルバムだった。ネガティブなことをポジティブに変えて、その感情を音楽に表現する――それが音楽の持つ力。音楽はとてもパワフルなものなんだ」
『The X Factor』と『Virtual XI』は商業的にも批評的にも不評でした。この時期に「メイデンを終わらせようと思ったことがありますか?」と尋ねられたハリスはこう語っています。
「ほんの数時間だけね。(お気に入りのサッカーチーム)ウェストハムが負けた時のようなもので、2時間くらい不機嫌になるけど、その後は立ち直って気持ちを切り替え、前に進むしかない。それがうまくいく唯一の方法だよ。
僕たちは完璧なアルバムを作ったことは一度もないと思う。『Number Of The Beast』は完璧なアルバムだと思われているけど、そこには他の曲ほど良くない曲が2曲ある(“Invaders”と“Gangland”を指して)。全部が完璧なわけではないよね?」