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ドローンでAC/DCなどを大音量で流してオオカミを追い払い牛を守る 米国農務省の生物学者チームが実験中

2025/09/02 07:53掲載
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A grey wolf and AC/DC's Angus Young - © Getty
A grey wolf and AC/DC's Angus Young - © Getty
米国農務省の生物学者チームは、AC/DCなどを大音量で流してオオカミを追い払い、牛を守る実験を行っています。

AP通信によると、カリフォルニア州とオレゴン州の境界付近で活動する米国農務省の動植物検疫局の生物学者たちは、今年の夏から実験の一環として、様々な音を出す装置を搭載したドローンを飛行させ、オオカミから牛を守る取り組みを始めています。

使われている曲は、AC/DCの「Thunderstruck」と、ファイヴ・フィンガー・デス・パンチ(Five Finger Death Punch)によるケニー・ウェイン・シェパード・バンドの「Blue on Black」のカヴァー。

また、その他の音には銃声、花火、そして2019年の映画『マリッジ・ストーリー』でスカーレット・ヨハンソンが「もう我慢できない!」と叫ぶ音声クリップや、アダム・サンドラーが「何で?人と話せないの?」と叫び返す音声クリップも含まれています。

生物多様性センターのアマロク・ワイスによると、「オオカミは未知の物事に恐怖を感じる」という。

アメリカではハイイロオオカミは20世紀初頭に乱獲され、絶滅寸前まで追い込まれました。しかし90年代半ばにアイダホ州やイエローストーン国立公園などで、回復を図るための保護活動が行われて以来、個体数は回復しています。個体数の増加に伴い、牧場主との衝突が増加。牧場主側は電気柵、オオカミ警報装置、番犬、馬によるパトロールなど様々な手法でオオカミの接近を防ごうとしてきました。

牧場主メアリー・リッカートはAP通信に次のように語っています。

「彼らの取り組みにはとても感謝しています。しかし、これは長期的な解決策ではないと思います。私が懸念しているのは、しばらく経った後、突然彼らが“これは自分たちを傷つけるものじゃない、ただうるさいだけだ”と気づいてしまうことです」