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イエスのスティーヴ・ハウがボブ・ディランを語る 「ボブは別格の存在だった」

2025/08/29 20:32掲載
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Steve Howe
Steve Howe
イエス(Yes)スティーヴ・ハウ(Steve Howe)ボブ・ディラン(Bob Dylan)を語る。ディランは多くのミュージシャンやソングライターに影響を与えましたがハウもその一人でした。Ultimate Classic Rockの新しいインタビューの中でこう語っています。

「『The Freewheelin' Bob Dylan』は発売された時に買ったよ。1stアルバムは、ちょっと乗り遅れたけど、この2枚目のアルバムは“Blowin' in the Wind”とか素晴らしい曲がたくさんあって、すごく惹かれた。

(ディランの音楽に)かなり興味を持ち始めて、『Another Side of Dylan』が出たときは本当に心を奪われた。ギターを抱えた男が“The Lonesome Death of Hattie Carroll”(1964年の『The Times They Are a Changin』収録)とか、非常に幅広いテーマの曲を歌っていたからね。

歌詞もリズムもヴォーカルも新しいサウンドだった。ハーモニカの響きもだし、親が彼を嫌っていたという事実もね(笑)。彼の声のちょっと鼻にかかったような感じがね。ビートルズとかに夢中になり始めた若者たちにとって、彼は素晴らしい大使だった。ボブは別格の存在だったんだ」

ハウは自身のバンドで演奏を始めてからも、ディランがリリースするアルバムを聴き続けていましたが、彼はディランの音楽をファンとして聴くと同時に、ミュージシャンの耳で熱心に聴いていました。

「素晴らしい音楽を聴くと、その両方のレベルで心を動かされる。彼は(自覚はなかったかもしれないが)人々を惹きつけた。彼が生涯にわたって、これほどまでに素晴らしい曲を書き続けるとは(当時は)正直言えなかったけど、でも、確かに大きな可能性は感じていた」

90年代後半、ハウはお気に入りのディランの曲をアルバム一枚分取り上げたいと考え、1999年にアルバム『Portraits of Bob Dylan』を発表しました。「ディランのやり方を模倣するのではなく、自分なりのアレンジを施すことができたのは良かった。少し違ったものを加えたかったんだ」と彼はリリース時のプレスリリースで語っていました。

このアルバムでは、イエスのジョン・アンダーソンが提案したのは1966年アルバム『Blonde on Blonde』から「Sad Eyed Lady of the Lowlands」でした。ハウは新たにこう話しています。

「この曲は大好きだよ。『Blonde on Blonde』の重要な曲の一つだ。間違いなく素晴らしい選択だった。僕は、長すぎるので誰も引き受けてくれないと思い、最初は選ばなかったんだ。全力を注いだよ。この曲のアレンジするのは、僕にとってとても特別なプロジェクトになった。曲に複数の層を持たせる構成を考えなければならなかった。異なるヴァースには異なる楽器が入り、それぞれが違った役割を果たしながら徐々に盛り上がっていく、そういう風に構築されているよ」